ジムニー5ドア注文殺到!? 逆に「ジムニー3ドア」買いでしょ!→見積ってみた結果は?

スズキの新モデル「ジムニー ノマド」は発表直後に5万台超の予約が入り、受注停止しました。ここまで「ノマド」に人気が集まった結果、「ジムニー シエラ」の納期が早まっているとか。ディーラーへ行き最新情報を聞いてきました。
2025年1月30日に発表されたスズキ「ジムニー」の5ドアモデル「ジムニー ノマド」は、わずか4日で5万台を超える予約が入り、受注が一時停止となりました。「ジムニー ノマド」の月間の目標販売台数は1200台。現状の納期は、単純計算で4年近くかかることになります。
ジムニー5ドア注文殺到!? 逆に「ジムニー3ドア」買いでしょ…の画像はこちら >>軽規格の「ジムニー」。普通車仕様の「ジムニーシエラ」ならびに「ジムニーノマド」の原型といえるモデル(画像:スズキ)。
とはいえ、インドで「ジムニー」を生産するグルガオン工場の生産能力は年間70万台もあるので、日本向け「ジムニー ノマド」の増産は容易なように思われるかもしれません。しかし、問題はインドから日本への海上輸送です。そのキャパシティには限りがあるため、需要があるからといって急に船便を増やすことはできないようなのです。
結果として「ジムニー ノマド」が受注停止になったことにより、購入を検討していた人は受注再開を気長に待つしかない状況ですが、いつ受注が再開されるかはまったく見通しが立っていません。
その一方、既存の3ドアモデルである「ジムニー」や「ジムニー シエラ」の購入を検討していた人にとっては、シリーズに新型車が追加されたことで需要が分散。その結果、昨年末まで1年~1年半といわれていた納期が短くなった可能性が高く、新車で「ジムニー」シリーズを購入する好機が訪れたとも捉えられるでしょう。
とくに「ジムニー シエラ」の場合、スズキディーラーは「ジムニー ノマド」の発表と前後して納車待ちの顧客にオーダーの変更を打診しており、そのうちの少なくない人たちが「ジムニー ノマド」へと購入車種を変更したとも伝えられています。ということは「ジムニー シエラ」は相当数がキャンセルされているわけで、逆に考えれば「ジムニー シエラ」は生産枠に余裕が生まれたともいえそうです。
そこで筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)は真相を確かめるべく、「ジムニー ノマド」が受注停止した後の2月6日に自宅近くのスズキアリーナ店を訪れ、「ジムニー シエラ」と「ジムニー」の納期についてハナシを聞くとともに、それぞれの値引きについても現状どの程度まで可能なのか、両車の見積りを取ってきました。
応対してくれたセールススタッフは30代前半の男性です。まず納期について尋ねると「当店の受注数を確認してから後ほど目安となる納期をお伝えします。両車とも以前に比べれば納期はかなり改善されています。とくに『ジムニー シエラ』は、『ジムニー ノマド』へ車種変更されたお客さまの影響なのか、『ジムニー』と比べても若干、納期が早まっているようです。なお、AT車とMT車、グレード、ボディカラーによる納期の違いはありませんので、お好みの仕様を選んでいただいて大丈夫です」と述べていました。
Large figure2 gallery15
スズキアリーナ店のイメージ写真。本文とは関係ない(山崎 龍撮影)。
セールススタッフとの商談の末、選んだ仕様は、ともに最上級グレードの「JC」で、トランスミッションは4速AT、ボディカラーは追加費用のかからない「シフォンアイボリーメタリック」の単色にしました。車両本体価格は「ジムニー シエラ」は218万3000円、「ジムニー 」は200万2000円です。諸費用の合計額はそれぞれ31万9000円と23万3750円でした。
オプションはともにジュータンタイプのフロアマット(1万3750円)、ETC車載器(2万6950円。セットアップ料含む)、ケンウッド製エントリーワイドナビセット(17万8200円。アンテナ変換ケーブル、USBソケット、USB接続ケーブル含む)、パイオニア製前後ドラレコ(5万1700円)をチョイス。オプション金額の合計は27万600円となりました。
その結果、支払い総額は「ジムニー シエラ」が277万3600円、「ジムニー」が250万6350円となりました。値引きについてセールススタッフに尋ねたところ「用品から1割くらいが目安となりますので、お客さまの場合では3万円が精一杯です」との返答でした。
発表当日に、スズキアリーナ店で「ジムニー ノマド」の商談を行った際はゼロ回答だったので、デビューから7年近くが経過した「ジムニー シエラ」と「ジムニー」は値引きの面でも若干お得なようです。
さて、気になる両車の納期ですが、セールスタッフに調べてもらったところ「ジムニー シエラ」が7~8か月、「ジムニー」が8~9か月とのことでした。
Large figure3 gallery16
「ジムニーシエラ」。「ジムニーノマド」が受注の一時停止になったことで再び客が回帰してくる可能性が高い(画像:スズキ)。
この納期は筆者が取材に訪れた店舗でのハナシなので、「ジムニー シエラ」から「ジムニー ノマド」へと契約を変更した客が多かった地域や店では、ひょっとすると納期がさらに早まっているかもしれません。事実、ネット上では「3か月の納期で購入できた」との声も挙がっていました。
ただし、セールススタッフいわく「この現象は一時的なものだと思います。昨年末まで『ジムニー シエラ』と『ジムニー』の納期は1年以上となっていました。『ジムニー ノマド』の発表でお客さまがそちらに流れたのは事実ですが、受注停止になったことで、今後は再び両車に客足が戻ってくる可能性が高いでしょう。購入をお考えでしたら早めの契約をオススメします」とのこと。「ジムニー ノマド」の販売休止による揺り戻しが、意外と大きそうです。
セールススタッフの話から判断して、やはり納期の短縮は一時的なものだと考えるのが賢明かもしれません。「ジムニー シエラ」や「ジムニー」の購入を検討している人は、このチャンスを逃すことなく、早めの購入に踏み切ったほうがよいでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする