X(旧ツイッター)上で千葉大病院(千葉市中央区)の看護師と疑われる人物の匿名アカウントが、医療事故や患者への不適切な処置などの内容を投稿していたことが判明し、病院が調査に乗り出すなど波紋を呼んでいます。ネット上では、投稿内容に憤慨する声の一方、多忙な医療現場の改善を求める声など、さまざまな意見が上がっています。反応をまとめました。(デジタル編集部)
◆「インシデント書くの面倒だから隠ぺいしちゃう」
該当のアカウント(現在は削除)の不適切投稿は2023年秋ごろから確認され、「インシデント書くの面倒だからいつも隠ぺいしちゃう」「薬は飲ませたフリをしてこっそり捨ててる」「(痛みを訴える患者について)目の前で苦痛訴えられると余計腹立つ!痛がってないとみんなに伝えて痛み止めの依頼もしない」などの内容を投稿していました。
「モニターずっと鳴ってたらしく、誰も気付かなくて、見事に心停止になってた!」と患者の死を軽々しく扱うような発言も。内容から千葉大病院の看護師の可能性があると話題になり、大鳥精司病院長が「病院として適切に対応する」とのコメントを発表する事態に。
◆「人の生死を何も思わないのか」同業者は怒りあらわ
これらの投稿内容に多くの反響が上がりました。目立ったのは、「看護師全般に悪いイメージが付く」という懸念の声や怒りの声。
看護師とみられるユーザーは「本当に同業者として迷惑な話」と不快感をあらわにし、「ここぞとばかりに『ずっと思ってたけど看護師の女は変な人が多い』『やばい奴ばっかり』とリプしてる女性が散見しているのが嫌。何で真面目に仕事して、患者さんのために嘘偽りなく努めて業務に当たってるのに、そんな事言われないといけないのか」と憤慨します。
看護師を名乗る別の人物は「『心停止になってた』って人の生死に関わったことに何も思わないのか。私も看護師だし日々忙しいし、手のかかる患者もいるけど、自分のしたことや起きたことに責任は感じる」とした上で、「なによりこの仕事が好き。この人は医療者に向いてない。他の職種の方が生き生き働けると思う」と、投稿者の適性の問題を指摘しました。
◆「忙しいから時間外に…」多忙な現場を問題視する声も
一方で、主に同業者を中心に「インシデント報告の仕組みに問題があるのでは」と指摘する声も上がりました。
同業者を名乗る人物は「インシデントの記載が面倒という感情は分かる部分もあります」と一定の理解を示しつつ、「自分の職場は『発見者がレポート記載する』というルールになっています。事案の発見時の状況から改善策まで全て自分で書かなければいけません。必要であれば関係者に聞き取りを行い、まとめて提出します。日勤で発生していた問題を夜勤中に発見し、夜勤終了後にサービス残業で当事者に聞き取りを行うケースも珍しくありません」と、自身の職場の課題を紹介。
また、別のユーザーは「この看護師のやった行為は医療者としてあるまじき行為なので論外としても、インシデントレポートは作成に時間がかかるので軽微なインシデント(例えば転倒しそうになったなど)は見過ごされる事が多くあります」と指摘。「インシデントレポートを有効に使用するためにはレポート作成に時間を要しないよう簡潔にする必要があるように思います」と提案しています。
「ミス追及されて、改善案書いても差し戻されて、担当者の気に入るような内容に書き直さなければならない。忙しいから時間外に書くことになるし、残業代は当然出ない」と理不尽さを訴える声もありました。
◆「自分が患者だとしたら怖い」
一般の人からは「自分が患者だとしたら怖い」との声が目立ちました。
「自分や家族が入院した時にこのような看護師に当たって間違った薬を与えられたり痛みを無視されたり死んでも隠蔽されたらと思うと非常に怖くなりました。仕事が面倒で患者も嫌いだからとサボることしか考えられない人は人の命や健康が関わらない仕事に転職してください」
医療関係者だけでなく、多方面から関心が寄せられている今回の問題。投稿内容の真偽も含め、病院の調査の行く末に注目が集まります。
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