インフルエンザの感染拡大で今、せき止めなどの薬不足が深刻化しています。医療現場の今を取材しました。
インフルエンザ感染拡大で“深刻な薬不足”に もし年末年始に…の画像はこちら >>
25日に訪ねたのは、名古屋市中川区の加藤クリニック。(加藤クリニック 加藤政隆 院長)「インフルエンザが多い。月曜日で15人、火曜日は8人、きょう(25日)が9人」愛知県では12月9日から15日までの1週間でも、県内195の定点医療機関の患者数は「1医療機関あたり23.82人」と、前の週と比べて倍以上になっていたため取材することに。
CBC
(受診した男性)「(Qどんな症状が?)喉の痛みと発熱」インフルエンザの検査結果を待っていた男性でしたが、しばらくすると…。(受診した男性)「陽性でした」猛威を振るうインフルエンザ、このため加藤クリニックでは困ったことが。
CBC
(加藤院長)「薬が非常に少ない。せきや鼻水、発熱の患者が多い中で薬が足りない。我々も薬局に問い合わせて、いちいち在庫を確認しないといけない状況」
そこで、近くの調剤薬局も訪ねました。
CBC
(大島薬局 薬剤師 大橋弘治さん)「インフルエンザの薬は、こちらですね。一番よく出ているゾフルーザ。あと6錠…7錠、3人分です。1人2個なので」薬局では処方箋が必要な薬、約1600種類を取り扱っていますが…
CBC
(大島薬局 薬剤師 大橋弘治さん)「せき止めは1人分ないくらい。1人の処方で足りない。(Qこれまでのキャリアで薬が不足する経験は?)なかった」25日の営業前には500錠あった「せき止め薬」が、午前中の間に残り16錠に。そこで薬局は、成分が一緒の他のメーカーの薬を処方するなど工夫して乗り切っていました。
CBC
(大島薬局 薬剤師 大橋弘治さん)「しっかり生産してくれていると思うんですけど、それ以上に患者が増えている。感染が拡大しているので、供給が追いついていない状況」年末直撃の深刻な薬不足。これから多くの病院も休みに入ります。手洗い、うがいなど基本的な感染対策は引き続き必要です。
CBC
インフルエンザの急拡大を受けて、愛知県の大村秀章知事が26日午後に会見を開き、感染対策の徹底を呼びかけました。(愛知県 大村秀章 知事)「県内のインフルエンザ患者の定点医療機関あたりの報告数が、9週連続で増加し56.79人。警報の指標の30を大きく上回ったことから、本日『インフルエンザ警報』を発令いたします。症状がある場合はマスクの着用、外出後は石けんでの手洗い。初詣などもあると思うので、感染防止対策の徹底をお願いします」
年末年始に、もし発熱したらどう対応すればよいのか。救急の専門家を取材しました。
CBC
(名古屋大学病院 山本尚範 医師)「特に症状が強いという時は、早めに医療機関を受診していただきたい」年末年始は休診の医療機関が多いなか、市販薬でも効果はあるのでしょうか。
CBC
(名古屋大学病院 山本尚範 医師)「症状をとることはできます。例えば解熱剤を飲むとか、のどの痛みをとる、せき止めは効くが。解熱剤の一部など使わない方がいいものもあるので。基本的にインフルエンザはそれなりの病気なので、早めに医療機関にかかっていただいた方がいいかなと」
(資料)
また、年末年始は帰省などで人が集まるため、感染リスクが高まる可能性も。家庭内感染を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。(名古屋大学病院 山本尚範 医師)「分けることができれば部屋を分けるのもひとつ。インフルエンザにかかっている人の近くで、フィルター付きの空気清浄機を回すのも有効になると思います」