「世界でもっとも売れた旅客機」と瓜二つの「希代の不人気旅客機」って!? 激レア機の機内に潜入! 機内も”そっくり”なのか?

すでに製造機数1万機を超え、「世界でもっとも売れた旅客機」更新し続けているモデルが、エアバス製「A320」です。この機には、一部で、設計の参考となったといわれているモデルが存在します。それがダッソー社の「メルキュール」です。今回、その機の外観や機内を見てきました。
すでに製造機数1万機を超え、「世界でもっとも売れた旅客機」の記録を2024年現在も更新し続けているモデルが、ヨーロッパ・エアバス製「A320」です。この機には、一部航空ファンや関係者などのあいだで、設計の参考となったといわれているモデルが存在します。それがフランス・ダッソー社の旅客機「メルキュール」です。今回、その機の外観や機内を見てきました。
「世界でもっとも売れた旅客機」と瓜二つの「希代の不人気旅客機…の画像はこちら >>ダッソー「メルキュール」(松 稔生撮影)。
「メルキュール」はフランスの航空総局の指導のもと、1960年代半ばから開発がスタート。1971年に初飛行した旅客機です。「ボーイング737」の対抗馬となるべく開発された150席弱のモデルで、全長約35m、全幅約30mの大きさと、旅客機としては比較的短い2000km弱の航続距離を持っていました。ちなみに737はボーイング社最大のヒット旅客機であり、2024年現在もA320のライバル機として知られています。
「メルキュール」とA320の共通点は全体的なフォルムはもちろん、コクピット窓の形状や胴体最後部後部の形状など。そしてこの機体サイズながら、ほかのライバル機と比べて脚のタイヤ上についた軸が長く、胴体の位置が高いという特徴も共通です。
「メルキュール」の客室はA320と同じく、単通路で横3-3列の座席構成が採用されています。現代のA320のように大きな手荷物収納棚などはありませんが、一見では古いA320と見間違えてしまうほどよく似ています。
一方、確認できる範囲内における、2モデルのもっとも大きな違いはコクピットでしょう。「メルキュール」の操縦桿は、クルマのハンドルのような「コントロールホイール」タイプなのに対し、A320は各操縦席横にある「サイドスティック」タイプの操縦桿で機体を制御するため、操縦席の前がスッキリとしています。これはA320が電気制御によって動翼を動かす「フライ・バイ・ワイヤ」システムを搭載したためです。
このような「メルキュール」ですが、売れ行きはA320とは対象的で、量産されたジェット旅客機のなかでも最少クラスとなる、わずか12機にとどまりました。そのうちの1機は、ドイツのシュパイヤー科学技術館などで保存されています。

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