【与那国】与那国島民の無病息災を願い、厄払いを行う神事シティ(節祭)が1日夜、執り行われた。旧暦8、9月以降のはじめの己亥(つちのとい)の日に行われ、島民は魔よけを意味する「ンバヌハ」(ナガバカニクサ)のつるを屋敷内の門柱や家屋の入り口に巻きつける。祖納と比川集落の4頭の獅子頭が各集落を回り、悪霊をはらった。
祖納集落では朝から各拝所で祈願が行われ、獅子頭がお目見えした。日暮れ時には集落中央の交差点に東、西、嶋仲の3頭の獅子頭が勢ぞろい。笛の曲に導かれた獅子がンヌン(太鼓)とカニン(どら)の音とともに勢いよく舞い踊った。
それぞれ表情の違う獅子頭の顔に、怖さのあまり泣き出す子が続出。参加者は幼児の頭を獅子頭の口の中に入れてかませ、わが子の健康を願った。 新築の家に獅子を招き、魔をはらった杉本家の妻夏代さんは「獅子の魔払いも済み、ほっとした。子どもたちにもいい経験」と、獅子の訪問に号泣した娘をあやしながら話した。その後、各集落ではらった悪霊は海のかなたに追い払われた。(田頭瑠都通信員)泣き出す子続出 獅子が幼児の頭をガブリ、その訳は 沖縄・与那…の画像はこちら >>