“通信会社”名乗る相手に「詐欺とは思わず…」 スーパーのATMで現金引き出す80代男性 店員が声かけ被害防ぐ「電話番号検索したら…」

特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、新潟県胎内市にあるスーパーの男性店員が12月13日、警察に表彰されました。どのように特殊詐欺の被害を防いだのか…被害を防いだ店員と被害を免れた男性に当時の状況を聞きました。
【被害を免れた男性】「(Q.詐欺だと思った?)いや、全然思っていない」こう話すのは、胎内市に住む80代の男性。11月6日、男性が実際に契約している通信会社を名乗り、サイトの未納料金を請求するメールが届いたと言います。男性はメールに記載があった電話番号に連絡。複雑な説明を受けた末に、電話口の男から出された指示は…【被害を免れた男性】「電話を切らないで、ウオロクのATMからお金を下ろしてという話」男性は電話をつないだまま胸ポケットにスマホを入れ、自転車で近くのスーパーマーケットに行き、指示通り、ATMで現金約10万円を引き出しました。その様子を見ていたのが…【ウオロク中条店 金子雄太さん】「このATMは通帳を入れる機能がないが、通帳を入れようとしていて、さらに携帯で電話もしていたので、ちょっと怪しいなと思った」ウオロク中条店の店員・金子雄太さんです。【記者リポート】「ここで作業をしていた金子さんは、ATMを利用していた80代男性の様子がおかしいことに気付き、声をかけたということです」しかし、男性は電話の相手を信じ込んでいました。【ウオロク中条店 金子雄太さん】「『問題ないところからの電話なので大丈夫だ』と最初は言われた」自身が実際に契約している通信会社を名乗っているだけに、電話の相手を疑わなかったという男性。【被害を免れた男性】「自分がいつも携帯電話料金を引き落とししている会社だから、これは確かだなと思った」
そこで金子さんは男性の携帯電話に表示されていた相手の電話番号をインターネットで検索。すると、“詐欺”という検索結果が出てきたといいます。詐欺の可能性が高いと考えた金子さんは上司に相談し、店舗から警察に通報。【ウオロク中条店 金子雄太さん】「警察が到着するまでも、ずっと電話をしていて、メモをしていた。どこかに行かないように一緒にいた」警察が現場に到着し、男性と電話を代わると、電話口の男が「警察に話すことはない」と電話を切ったことで特殊詐欺だと判明しました。金子さんは特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、警察から表彰を受けました。【ウオロク中条店 金子雄太さん】「また何か怪しい動きがあれば、お声がけをしていくようにするし、周りの方もやっていければと思う」被害を免れた男性は…【被害を免れた男性】「やはり浅はかだった。信じたところから電話が来ても、やっぱり一応確かめることが一番大事だなと」
新発田署管内では、去年に比べ、特殊詐欺被害の認知件数が倍増していて、警察は被害防止に向けた注意・協力を呼びかけています。【新発田警察署 渡辺寿智 署長】「高齢の方がそわそわしていて、電話をしながら動いているような状況、一歩踏み込んで、勇気を持って声がけをしてもらえれば、もっと特殊詐欺も減るのではないかと」全国的にも増加傾向にある特殊詐欺の被害。一人一人の注意と、周囲の協力で被害防止に努めることが重要です。

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