就職活動(以下、就活)とは、多くの学生にとって、最初のキャリアを決める大切なイベントですよね。
就職先を決定する際に重要視する点は、人それぞれでしょう。
しかし、「後悔がない選択をしたい」という願いは、大半の就活生が持っているかもしれません。
内定が出た企業から「ほかの企業の選考を辞退してほしい」といわれた。
これって『オワハラ』かな。
※写真はイメージ
ネット上で、ちらほらと見かける、『オワハラ』の体験談。
『オワハラ』とは、『就活終われハラスメント』を略した言葉で、企業が学生に内定を出す際、就活を終えるように強要することを指します。
実は、2015年の『ユーキャン 新語・流行語大賞』にノミネートされていた、『オワハラ』。
同年の時点で、就活の課題とされていたハラスメントが、2024年現在も、一部の企業で残っているようなのです。
厚生労働省は、若者雇用促進法第7条の規定に基づき、2021年に改正された『事業主等指針』の中で、以下のようにつづりました。
ニ 採用内定又は採用内々定を行うことと引替えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要すること等青少年の職業選択の自由を妨げる行為又は青少年の意思に反して就職活動の終了を強要する行為については、青少年に対する公平かつ公正な就職機会の提供の観点から行わないこと。
厚生労働省 ーより引用
厚生労働省は、内定または内々定を出すことと引き替えに、就活をやめるよう強要することで、学生が自由に仕事を選べなくなり、就活が不公平で不公正なものとなってしまう危険性があるといいます。
また、内定の承諾を急かしたり、内定の辞退を申し出た学生に対して、過度な引き留めを行ったりすることも、『オワハラ』に該当する場合があるとのこと。
こうした就活の実態に、ネット上では、さまざまな声が上がりました。
・就活生の時に、『オワハラ』をされて怖かった…。これから就活をする人は気を付けて!
・ハラスメントをする企業は、入社後も苦労をしそうだから、辞退をしていいと思う。
・内定辞退の連絡をしたら、何度も面談を組まされて、嫌味をいわれた。
・『オワハラ』というキャッチーな言葉ではなく『入社の強要』など、はっきりと意味が分かる言葉を使ってもいいかも。
一方、企業側が感じている、採用活動の難しさについても、コメントが集まっています。
・ハラスメントはよくないけれど、企業側も、人材確保が難しい時代なのかも。
・採用活動はかなりコストがかかるから、必死になってしまうよね。
・大人数に、内定辞退されてショックだったし、とても困った。
就活をする学生は、自分らしく働ける場所を見付けるため、慎重にならざるを得ないですよね。
業界によっては、深刻な人手不足に悩まされている企業も少なくないでしょう。
公正な就活のためには、企業と学生が、しっかりとすり合わせを行い、互いを尊重することが大切かもしれません。
学生たちが、明るい気持ちで、キャリアの第一歩を踏み出せる社会になることを願っています。
[文・構成/grape編集部]