過去最多の7名が出馬した11月17日投開票の兵庫県知事選。前知事の斎藤元彦氏(47)が、序盤で優位だった元尼崎市長・稲村和美氏(52)を大きく引き離して返り咲いた。
今回の知事選は、斎藤氏のパワハラ疑惑などを指摘する内部告発文書問題が発端となった。県議会から不信任決議案を受けて失職した斎藤氏は、当初の劣勢を跳ね返して若者を中心にSNSで支持が拡大。投票率は前回選を大きく上回る55.65%を記録し、全国的に高い関心が寄せられた。
だが斎藤氏のパワハラ疑惑などについては解決されておらず、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が調査を進めている。
いっぽう選挙戦をめぐっては、18日に行われた百条委員会の記者会見でメンバーの竹内英明県議が辞職するといった余波も。理由は「一身上の理由」とされたが、選挙期間中にSNSで百条委員会への誹謗中傷が相次いだことが原因だという。
記者会見では上野英一委員が、竹内県議が辞職したことについて「今回の選挙を通じて、言葉の暴力、ネットの暴力。これが拡散して、本人だけではなく家族が本当に狂乱状態にまでなってしまった」と説明。続けて「その中で本人は、家族を守ることを優先するということで。昨晩も話をされたようですが、奥さんが錯乱状態で、『この政治の道からは退いてほしい』というような訴えがあって」と事情を明かしていた。
さらに奥谷謙一委員長(39)からは、驚きの証言も飛び出た。「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)が奥谷氏の自宅前で街頭演説を行ったといい、「母は避難した」というのだ。
奥谷氏は「私の自宅兼事務所なんですけれども、家の前で街頭演説をはじめたと」と説明し、こう続けたのだった。
「映像が残ってるんですけど、『引きこもってないで家から出てこいよ』みたいなことを言ってたんですね。立花氏の認識として、事務所と登録していますけど、私の自宅であるという認識は彼にはあったということは、これは明白であります」
奥谷氏によれば、立花氏は「これ以上脅して奥谷が自死しても困るので、これくらいにしておく」とも発言していたという。奥谷氏は「自ら脅迫目的でこの行為をやっているということを、自ら仰っているということであります」と指摘した上で、こう訴えていた。
「私の近所の方にも大変なご迷惑をおかけしましたし、(中略)母には避難してもらってたんですけど、やっぱり帰ってきた時にはちょっと怖かったんだろうと思いますけど、涙を流すようなこともあったので。私としてこう、家族にこれだけ迷惑をかけているというのは大変辛かったですし、同時にすごい怖い思いをしたということでありますので、これは大変遺憾です。しっかりと今後、厳正に対応していきたいと考えています」
選挙戦では斎藤氏をサポートする目的で出馬し、街頭演説でも“援護射撃”を行っていた立花氏。だが奥谷氏から暴露された“脅迫演説疑惑”に、Xでは驚く声が続出。
《あまりにもひどすぎる》《家族にとっては恐怖でしかありませんね》《奥谷さん、弁護士なんだから提訴したらいい》
いっぽう立花氏は19日午前に更新したXで、《私は、この奥谷委員長に対して、事実無根のデマを流した事を理由に、民事裁判提訴します! 私はあなたの自宅前で、選挙演説しただけです!》と主張している。
斎藤氏をめぐって勃発した“場外戦”の行方は果たして――。