新潟県・花角知事をはじめとする県の視察団は10月末、3泊5日の行程でアメリカ・ニューヨークを訪問。トランプ氏の返り咲きにより、アメリカの貿易政策が注目されていますが、今回は県産品の輸出に向けた商談会の様子などについてお伝えします。
県の視察団が訪れたのは、世界中から人や文化が集まるアメリカ・ニューヨーク。この日、花角知事を含む視察団は、ニューヨークの中心・マンハッタンからバスで約30分の場所にあるブルックリンにやってきました。【記者リポート】「こちら、一見おしゃれなレストランのような外観ですが、入り口には“CRAFT SAKE”と書いてあります。実は、この中には酒蔵があるんです」ニューヨーク州初のクラフト酒メーカーとして2016年に創業した『Brooklyn Kura(ブルックリンクラ)』。年間約250石の日本酒を醸造し、販売のほか、普及活動などを行っています。創業者の一人で代表のブライアンポーレンさん。【ブルックリンクラ ブライアンポーレン代表】「日本人でない私たちにとって、日本への旅行で地酒を体験し、職人の技や心遣いを目の当たりにしたことは大きな刺激となり、ブルックリンクラを始めるきっかけとなった」2021年には新潟の八海山酒造と業務提携。「日本酒を世界飲料に」という目標を掲げ、互いに協力しています。蔵の視察に加え、日本の文化にアメリカのアイデアを組み合わせ、現地で造られた酒を試飲した花角知事は…【花角知事】「ホップを入れたもの、これはファン層を広げそうな気がする。(日本酒を)世界飲料にするという目標を共有して提携したということなので楽しみ」今後、新潟や日本の酒のさらなる世界進出に向けた心強い存在に期待感を示しました。【ブルックリンクラ ブライアンポーレン代表】「私たちの目標は、日本酒を毎日、どんな状況でも、ビールやワインなど他のものを飲むのと同じように楽しんでもらうこと」
そして、すぐそばの建物で行われていたのが…【記者リポート】「こちらでは“新潟フェアinNY”と題して、ニューヨークの人たちに新潟の商品を知ってもらうイベントが行われています」県内の酒蔵や製造業などが出展し行われた、一般客向けのテストマーケティングイベントです。イベントの2日目の様子を視察した花角知事。出展者の中にはすでに手応えを感じている人も多く…【出展者】「良い反響をいただいている。燕三条や日本の製品は素晴らしいと」会場には、県立海洋高校の生徒たちの姿も。海洋高校で開発されたサケの魚醤の製造販売などを担う能水商店とともにニューヨークでのセールスに挑戦していました。【生徒】「日本の醤油です。塩のように使えます。試食してみますか?」【客】「ぜひ。Oh My God!とても良い」【現地の人】「とてもリッチで美しかった。ちょっと見ただけだから、他ももっと見ないと」【海洋高校 食品研究部 小柳政宗さん】「反応は『すごくめずらしいな』『おもしろい商品だな』というような感じ」ニューヨーカーにも好評を得ていたサケの魚醤。能水商店の松本将史社長は、アメリカで商品を販売するには商品にまつわる“ストーリー”を伝えることが重要だと感じたようです。【能水商店 松本将史 社長】「雪国であることや自然が豊かなこと。私たちの場合は“豊かな自然があるからサケが帰ってくる”というストーリーを話すことで、だいぶ興味を持ってもらえて、買いたい動機につながっている、そういうお客さんが多い」
そして、視察最終日には…【花角知事】「新潟県の特徴と魅力を紹介したい」今度は、現地の日本食を提供する飲食店の関係者などに向けた商談会を開催。新潟のコメや酒をはじめ、新潟の特産品を扱う企業や食器など、その製造技術を武器とする企業など20社が出展した会場には約110人のバイヤーが集まりました。試食を勧めるなどしながら、商品を丁寧に説明していく県内企業の関係者たち。【新潟農商 小林岳洋 社長】「コシヒカリはどちらかというとモチモチ感が強いが、こっちはちょっと大粒で…。やはり食べ物なので、実際に試食をして新潟の魅力を知ってもらう大変良い機会になっていると思う」【朝日酒造 営業本部 須佐敏郎マネージャー】「雪がたくさん降って、おいしい水ができて、それでおいしいお酒ができるということを伝えていきたい。こちらも好感触」この日、花角知事をはじめ、複数の出展企業が強調していたのは「雪が生み出した豊かな食」というテーマ。ここでもストーリー性のある説明が多くの人の関心を引いたようです。【日本食レストランのシェフ】「新潟という場所については知らなかった。ここにあるすべてが素晴らしい。洞察に富んだ情報、酒はとてもよかった」【酒バーを経営する人】「色々話を聞いて、色々試してみたいと思った」「コメもそうだし、新しいお酒と出会えたらいい」3日間の視察を通し、花角知事は手応えを感じていました。【花角知事】「多くの方が新潟に関心を持ってくれているという実感はあった。ニューヨークで評判を得ると、北米全体に広がっていく可能性が高いと思っているので、その戦略でやっていきたい」新潟の食や商品をニューヨーク、北米、そして世界へ!県産品の今後の販路拡大に期待です。