いよいよ戦車購入を決定。
リトアニア国防省は2024年10月22日、ドイツ製戦車「レオパルト2A8」の取得に向けた最終承認が行われたと発表しました。
「ロシアの隣国で戦車ゼロ状態」見直し確定!「レオパルト2A8…の画像はこちら >>現在リトアニア軍が運用している「ボクサー」歩兵戦闘車。実は同車両も2021年1月に全車が揃ったばかり(画像:リトアニア国防省)。
同日に行われた国家防衛評議会で、ラウリナス・カシュチーナス国防相とライムンダス・ヴァイクシュノラス国防軍最高司令官は、国内戦車部隊の編成と同部隊の重火器取得に関する提案を提出。同評議会は「レオパルト2A8」の取得を承認したとのことです。
「レオパルト2A8」は、ドイツ製の主力戦車レオパルト2シリーズの最新車両で、砲塔の左右にアクティブ防御システム「トロフィー」が新たに取り付けられています。これは、敵の砲弾やロケット弾、ミサイルをレーダーで感知すると、迎撃用の散弾を射出し迎撃するシステムです。
リトアニアは同車両を54両購入する予定で、納入された車両で同国初の戦車大隊を編成します。
実はこれまでリトアニアは、装甲車両や自走砲は運用していましたが、戦車を保有していませんでした。同国はベラルーシやロシア飛び地領土のカリーニングラードにも接しており、これまではドイツ軍を中核とした北大西洋条約機構(NATO)の多国籍地上部隊が派遣され、防衛を担っていました。
しかし、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアとその友好国であるベラルーシに備え、地上戦力の拡充を図る方針へと転換し、2023年7月には新師団と2個戦車大隊を創設する計画を打ち出しています。なお、戦車の候補としては、ほかにアメリカのM1A2「エイブラムス」、韓国のK2「ブラックパンサー」なども挙がっていました。
戦車大隊は2030年までには作戦行動が可能な状態になる予定で、戦車のほかに支援用としてスウェーデン製の「CV 90(Combat Vehicle 90)」歩兵戦闘車の購入も計画されています。