3年前に他界した祖父に、記者になりたての20年前、戦争体験のインタビューをしたことがある。涙を流しながら凄(せい)惨(さん)な体験を語る祖父の姿に、60年たっても消えることのない心の傷の深さ、戦争の愚かさを感じた。
主人公は90歳の英国退役軍人。ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典へ出席するため、夫妻で暮らす老人ホームを勝手に抜け出し、フランスへ渡る。合間にフラッシュバックする戦場の様子は、70年たっても残る心の傷。敵同士だったドイツの退役軍人たちと顔を合わせる場面では、戦場にいる者同士が自分の意思とは関係なく、殺し合いをさせられることの無意味さを感じずにはいられなかった。
主人公を演じるのは今作が引退作となる英国出身の名優マイケル・ケイン。少年時代とはいえ、戦争を実際に体験したことのある俳優だからこその最後の演技をぜひ目に焼き付けてほしい。(DX推進部・屋良朝輝)
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