衆院選で「当選してほしくない裏金議員」ランキング…3位丸川珠代、2位杉田水脈を抑えた圧倒的1位は?

石破茂首相(67)が戦後最短となる就任からわずか8日で解散し、10月27日には投開票が行われる衆議院選挙。石破政権への信任が問われるが、今回の選挙でもう一つ審判をくだされるのが、自民党の“裏金議員”たちだ。
自民党の一部議員らが、政治資金パーティで得た収入の一部を政治資金収支報告書に過小記載または記載していなかった問題で、安倍派の裏金総額は6億円超にのぼる。閣僚や党要職を追われた議員だけでなく、逮捕者まで出すなど、国民の政治不信をかつてないほど高めた。
そんな関与した“裏金議員”たちに対して、石破首相は今回の衆院選で重いペナルティを課すことを決断。12人について非公認とし、公認する議員についても比例代表との重複立候補を認めない方針を発表したのだ。
自民党は再発防止に取り組んでいるが、関与した議員に今回の選挙で当選してほしくないと思う有権者も少なくないだろう。そこで、今回は裏金問題に関与した49人のなかから、きたる衆院選で「絶対に当選してほしくない裏金議員」に関するアンケートを18歳以上の男女1000人を対象に実施。49人から上位3人を順位づけしてもらい、3位は1ポイント、2位は2ポイント、1位は3ポイントとし、合計ポイントをもとに順位付けした。
まず、第3位に選ばれたのは丸川珠代氏(53)。不記載額は822万円。
東京大学を卒業し、テレビ朝日でアナウンサーを務めていたが、07年の参院選で当選し、政界に進出。安倍内閣で環境大臣として初入閣を果たすと、その後は菅政権でも五輪相を務めるなど、要職を歴任した。
華々しい経歴の丸川氏だが、今回の裏金問題では、18年から22年にかけてノルマ超過分の安倍派からのキックバックとして、822万円を不記載としていたことが明らかとなった。
アナウンサー経験もあり、弁舌巧みなことで知られるが、民主党政権時代に子ども手当の関連法案が強行採決された際に、厚生労働委員長に対して「この愚か者めが!」、当時の鳩山由紀夫首相に対して「ルーピー!」とヤジを飛ばし、問題視されるなど、舌禍を招くこともしばしば。
今回の衆院選では、参院から鞍替えし東京7区から出馬する見込みだが、他人に対しては強気な姿勢でありながら、裏金問題に関与していたという“言行不一致”ぶりに違和感を抱く人が多かった。
「今まで自分は正義感の塊みたいな態度や発言をたくさんしつつ、自分の非に甘い」(51歳・女性)「いかにも自分が正しそうに活動していて、その裏で裏金作りに精を出していたから。正義面がとても不愉快」(45歳・女性)「確か東大卒でTV朝日のアナでかつ報道も担当していたかと思うが、政治の汚い世界に染まってしまうとは情けない」(57歳・男性)
続いて2位に選ばれたのは杉田水脈氏(57)。不記載金額は1564万円。
西宮市役所勤務を経て、12年の衆院選で日本維新の会から出馬し初当選。14年の衆院選では落選したものの、自民党から立候補した17年に再び当選し、21年も比例当選した。党内切っての保守派であり、安倍晋三元首相の寵愛を受けたことでも知られる杉田氏だが、幾度となく言動が大きな問題を起こしてきた。
雑誌「新潮45」18年8月号に寄稿した文章のなかで、「LGBTのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子どもを作らない、つまり生産性がないのです」などと綴り、世論だけでなく党内からも大きな批判を浴び、党から指導され、「新潮45」も責任を取る形で休刊。
16年に開催された国連女性差別撤廃委員会に参加した際、傍聴にきていたアイヌの民族衣装やチマチョゴリを着用した女性らを無許可で撮影した挙げ句、ブログに掲載し「アイヌの民族衣装のコスプレおばさん」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」などと記載。22年8月に総務大臣政務官に就任したことによって、このことが再び「ヘイトスピーチ」として問題視され、発言について一部謝罪、撤回しただけでなく、政務官も辞することとなった。
この他にも、選択的夫婦別姓を求めた野党議員に対して「それなら結婚しなくていい」とヤジを飛ばし、女性への暴力や性犯罪について「女性はいくらでもうそをつける」と発言したと報じられるなど、不適切な言動をあげると枚挙にいとまがない。
裏金問題では、1564万円の不記載が認められ、半年間の党役職停止処分を受け、今回の衆院選では公認を自ら辞退。12日には会見を開き、衆院選には出馬せず、来年の参院選に全国比例で立候補する意向を表明している。今回は出馬しない杉田氏だが、アンケートではやはりこれまでの発言に嫌悪感を抱く人が多数いたようだ。
「元々国家議員にふさわしくない上に裏金問題まで発覚して完全にアウト」(58歳・女性)「安倍政権で気に入られ、選挙で選ばれていないのに比例代表で何度も復活当選が信じられない。なのに議員のしごとをしない、性差別やアイヌの人を侮辱する発言が著しく不愉快なので顔も見たくないから落選して欲しい」(70歳・女性)「今までのひどい発言の数々。議員に全くふさわしくない」(69歳・男性)
そんな2人を抑えて1位に選ばれたのは、萩生田光一氏(60)。不記載金額は2728万円。
八王子市市議、都議を経て、03年の衆院選で初当選。09年には敗れたものの、12年に返り咲いて以降の選挙ではすべて当選し続けている。文部科学大臣、経済産業大臣といった閣僚経験だけでなく、安倍元首相の元で総裁特別補佐と幹事長代行、岸田首相時代には政調会長を務め、党の要職経験も豊富。
特に「最側近」と言われるほど安倍元首相と近いことで知られ、「安倍派五人衆」として後継候補と目されるなど、自民党を背負って立つ存在として期待されていたのだが……。
安倍元首相の死後、旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)と自民党のつながりが問題視されると、萩生田氏も様々な関係が取り沙汰されることに。22年の参院選では、萩生田氏が生稲晃子候補(当時)を連れて旧統一教会の関連施設を訪れていたことが報じられるなど、自民党の中でもかなり深い関係を築いているという報道が相次いだ。
今回の裏金問題でもトップクラスの2728万円を不記載にしていただけでなく、今年5月の政治倫理審査会への出席も拒否し、説明責任を未だに果たしていないとの指摘も根強い。こうした事態から、衆院選では最も重い非公認の対応を取られている。
政権や党の重役を担いながら、金額、その後の対応含めて責任感にかける萩生田氏。旧統一教会との関係とあわせて、不信感を抱く人が相次いだ。
「裏金の額もすごいし、統一教会との関係もとても深いので、もう議員の資格はないと思うから」(47歳・女性)「安部派の大御所なのに説明責任を果たしていない」(69歳・男性)「統一教会、裏金と、現状の問題すべてに関わっていて、その時の幹部だったから」(65歳・男性)「裏金が高額である上に、旧統一協会とつながりが大きい」(58歳・男性)
果たして、不利な状況のなか、裏金議員たちは今回の選挙を乗り越えることができるのか――。

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