パリッコのおつまみ革命 第57回 惣菜コロッケと「カレーメシ」で高級フレンチ気分! 「クリームクロケットのカレーメシソース」

日清の「カレーメシ」が大好きなんですよね。

お湯を注いで5分待ち、30秒ぐるぐるとかき混ぜるだけで、美味しいカレーライスのできあがり。そもそもカレー好きってこともあるんですが、それを差し置いても、こんなに簡単に作れるとは思えないほどクオリティの高いカレーだと思います。味のバリエーションがいろいろとあるのも素敵。

○調理時間は5分ちょっと

ただし、カレーライスとは言うものの、一般的なそれとはちょっと違う食べものでもあります。もちろん、カレーとライスであることは間違いないんだけど、その両方が完全に混ざり合っていることにより、それ自体がどこかソースっぽいとも言えるような。

そこで思いつきました。カレーメシをソースととらえ、そこにクリームコロッケをのせて、コロッケの語源となったフランス料理「クロケット」を再現してみるのはどうかな? と。

よし、さっそくやってみよー!

ほらほら、もうそれっぽいような気が、するようなしないような気がしないでもなくじゃないですか? ここはひとつ、する! と自分に言い聞かせ、続けていきましょう。

主役のコロッケですが、これをいちから作るとなると、本格的なレシピ記事になってしまいます(いや、なっていいんだけど)。それに、せっかく作ったのにカレーメシにのせるのが、気持ち的にちょっとだけもったいなく感じてしてしまいそうな気もします。

そこで、潔く買ってきましょう! スーパーでも、街の肉屋さんでも、テイクアウト可能なとんかつ屋さんでもいいので、市販のお惣菜を。ただしポイントがひとつ。“俵型のクリームコロッケ”であること。

今回は、日頃からお世話になっているスーパー「サミット」さんで、「境港産蟹の旨み溢れるクリームコロッケ」なる商品を買ってきてみました。関係ないけど、なんともそそる商品名ですね。

ちなみに市販の揚げものは、トースターやグリル、弱火のフライパンなどで少々温めると、自宅でも揚げたてに近いサクッと食感を取り戻すのでおすすめ。

ここでひとつ告白させてください。実は僕、今まで勢いで書いてきましたが、実は50、いや、60%くらいの不安が、心のなかにあったんです。思いついたはいいけど、仕上がり的にめっちゃくちゃしょぼい感じになってしまったらどうしよう……って。ところが上の写真を見てください。この時点で確信しましたよね。このレシピ、いける!

というわけで、仕上げにパセリをあしらって、完成!

笑えません? これ、インスタント食品とスーパーのお惣菜の組み合わせですよ? それなりに威厳のあるレストランなどで出てきて「いくらでしょう?」と聞かれたら、「に、に、にせんさん……いや、2,700円!」などと口走ってしまいそうじゃないですか?

いやいや、これがねぇ、完全にいい方向の化学反応を起こしてるんですよ。そもそもフルーティーさとスパイシーさが強めのカレーメシが、ソースとして完全に成り立っている。それとクリーミーなコロッケが融合することによって相乗効果を発揮し、はっきり言って、夢のような美味しさ。

チープな美味しさ、とかじゃなくて、もう本気で高級料理の領域です(言い切るスタイル)。お給料日や、なにかの記念日、仕事で大きな契約がとれたときなど、自分へのごほうびをあげたい夜に食べたい。

とはいえ! その実態はただのコロッケカレーでもあるわけなんですよね。

つまり、見た目的にはぜったい俵型クリームコロッケがおすすめだけど、そこから先は、とんかつなり、メンチカツなり、ハムカツなり、なんならからあげなり、ソーセージなり、オムレツなりをのせてしまっても、確実に美味しいということ。さらにカレーメシシリーズには、さまざまな味のバリエーションもあるわけですし。

「〇〇のカレーメシソース」、ぜひ自由な発想で楽しんでみてください。
○【材料】

・「カレーメシ ビーフ」または好きな味:1個
・市販のクリームコロッケ:2個
・パセリ:適量
※すべての分量は目安です。お好みで調整してください。
○【作りかた】

1.カレーメシを作り、平皿に盛る
2.コロッケを温め、上にのせる
3.仕上げにパセリをあしらう(なくてもいいけど、あると気分が上がります)

パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。 この著者の記事一覧はこちら

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