川村記念美術館 存続求め5万6000人署名 7日、佐倉市長が直談判

佐倉市からの移転や運営中止が検討されているDIC川村記念美術館(同市坂戸)を巡り、市は2日、現地での存続を求めて実施した署名活動で、5万6千人分を超える署名が集まったと明らかにした。同美術館を所有・運営する都内の化学メーカーDIC本社で7日、西田三十五市長らが経営陣と面会し、署名簿を提出した上で直談判する。
署名活動は、市が市観光協会や佐倉商工会議所、市内の国立歴史民俗博物館などの代表者と「DIC川村記念美術館の佐倉市での存続を求める会」を設置し、9月5~30日の間に実施。インターネット上で約4万7千人分、署名用紙で約9千人分が寄せられた。
西田市長は10月1日付で市ホームページでコメントを公表し「私たちと思いを同じにする人々が全国、そして世界中にたくさんいることを知り、美術館の価値を改めて確認できた。DIC本社を訪れ、皆さんの思いを直接お伝えする」などと謝意を示した。
同美術館を巡っては、同社が8月下旬に今後の運営方法に関する中間報告を公表。資産効率の観点から都内への縮小移転を軸に運営中止も含めて検討し、年内に結論を出すとしていた。
中間報告では来年1月下旬に休館に入るとの方向性が示されていたが、それ以降の土日の来館者数が5倍以上に急増し、こうした事情も踏まえ、9月30日には休館に入る時期を当初から2カ月延期し来年3月下旬にすると発表していた。
同美術館は1990年開館。20世紀美術などのコレクションで知られ、所蔵作品754点のうち同社が保有する384点の資産価値は計112億円(簿価ベース、6月末時点)に上る。

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