経営難で離農も…為替に左右されない“ウシのエサ”確保へ“地元産飼料”の生産強化「黒字取れる経営に」【新潟】

ウクライナ侵攻や円安の影響はウシの飼料高騰に直結し、酪農家の経営を圧迫。離農する酪農家も後を絶たない中、為替や世界情勢に左右されない地元産の飼料作りが重要性を増しています。
【松村道子キャスター】「新潟市西蒲区の牛舎。朝ご飯の時間帯で、ウシが旺盛にエサを食べています。一頭が一日に30kgほど食べるということです」健康な乳牛を育てる上で要となる飼料ですが、おととし、この牛舎では…【米工房いわむろ 藤田毅 代表】「(Q.これが配合飼料?)トウモロコシが中心の穀物。非常に高くなって(前年より)約3割上がっていると思う」国際的な市場における過去10年のトウモロコシの価格を見ると、取材したおととしは、ウクライナ侵攻と円安の影響を受け、大きく値上がりしていました。【米工房いわむろ 藤田毅 代表】「今までも円安、為替は変動してきたが、ここまで来たのは初めてだと思う。為替の変動というコントロールできない要素に振り回されたくない」
そこで今年7月、同じ西蒲区で青々と育っていたのは…【米工房いわむろ 藤田毅 代表】「これはデントコーンといって飼料用のトウモロコシ。ウシにとってすごくいいエサ。円安はずっと続く可能性が高いので、飼料の県内生産もとても大事なことだと思っている」藤田さんの農業法人では、以前から飼料用トウモロコシの生産を行っていましたが、飼料の生産を強化すべく、今年は新たな機械を導入しました。【松村道子キャスター】「今年購入した収穫機。きょう一日で約2ヘクタール分の飼料用のトウモロコシを収穫します」収穫機は2000万円と高額ですが、飼料作物の生産を支援する県の制度を活用し、購入金額の半分が補助されました。【米工房いわむろ 大川来武 営農係長】「刈り取りをして、ネットに包むまでの作業を機械で行える」さらに、その場でラッピングし、3週間、発酵させてからウシに与えます。この飼料用トウモロコシと今年生産量を増やした飼料用イネを活用すれば、多いときで経費の7割を占めていたウシの飼料代は5割に抑えることができるとみています。【米工房いわむろ 藤田毅 代表】「為替は関係なく、非常に安定するので、黒字が取れる経営ができると思う」経営の苦しさから、今年に入り7軒が離農している県内の酪農。為替などに左右されない地元産の飼料は酪農家の未来につながっています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする