台風10号 寒冷渦の影響で西廻り 北陸最接近は週末 偏西風に…の画像はこちら >>
台風10号は、寒冷渦や上空の太平洋高気圧の西への張り出しの強まりに対応して、当初予想より大きく西廻りの進路をとるように変わってきました。北陸への最接近は週末の30日~31日頃となる見込みです。また、予報円は週末にかけてかなり大きく、台風が偏西風の強風帯に順調に乗れない場合、予報円の南寄りを進むこともありそうです。この場合には、北陸地方では、南風ではなく北風の暴風に警戒が必要です。進路予想が変わりやすくなっていますので、常に最新の台風情報を確認するようにして下さい。
台風10号の予想進路
強い台風第10号は、26日12時現在、日本の南にあって、西北西へ毎時20kmで進んでいます。中心気圧は980hPa、中心付近の最大風速は35m/sです。この台風は、27日12時には奄美市の東約120kmに達し、29日9時には西日本に達するでしょう。31日9時には予報円の中心を進めば日本海に達する見込みです。台風周辺地域および進路にあたる地域は暴風や大雨に、台風の進路にあたる海域は猛烈なしけに厳重な警戒が必要です。31日の予報円は日本海から本州南岸まで広く含まれています。北陸地方への影響は、「日本海コース」又は「本州南岸コース」で大きく変わります。「日本海コース」をとれば南風、偏西風に乗れず「本州南岸コース」をとれば北風となります。その場合には、山地や山間部、山沿いを中心に警報級の大雨になることもありそうです。風向きの違いで対策が異なるなど、対応が難しくなることもありそうですが、いずれの場合も暴風域を伴う可能性がまだ残されています。対策を講じる時間的猶予はやや増えてきている思われますので、出来る限りの対策をお願いします。
大きく西廻りへ進路をとった原因は? 寒冷渦と高気圧の西への張り出し
台風10号の予想進路は、大きく西廻りして、北陸地方への最接近は今週末の30日頃に変わってきました。これは、上空約9700m付近の台風の西側に、寒気を伴った同じく反時計周りの低気圧(寒冷渦)があり、相互に影響しあいながら、台風10号の進路に影響が及んだためです。もう1点は、台風が発達し、上空の太平洋高気圧の西への張り出しが当初予想以上に強まったため、台風は北上ではなく西進傾向になりやすくなったことも考えられます。今後は、大陸方面から南下が予想される気圧の谷に順調に取り込まれれば転向して東進傾向となっていくでしょう。ただ、31日の予報円はかなり大きくなっています。常に最新の台風情報を確認するようにして下さい。
風は地形の影響を受け易い 局地的には予測値以上になることも
農作物や農業設備への暴風対策はもうお済みでしょうか? 今一度、風で飛ばされやすいものはしっかり固定されているか確認しましょう。鉢植えなどは室内に移動するなどの対策をお願いします。北陸は南北走向の河川が多く、川沿いを中心に局地的に強まる暴風に警戒が必要です。北陸の住宅には雨戸はあまりありませんので、障子やカーテンはしっかり閉めましょう。窓ガラスが割れたり飛散を防止するため、窓ガラスにガムテープを貼ることも検討して下さい。また、自動車のドア開閉時に小さな子さんが指を挟むことがないよう十分注意して下さい。暴風の影響で停電となる可能性もあります。懐中電灯や携帯ラジオを用意し、スマホのバッテリー切れにも注意して下さい。停電時はエアコンも使用もできなくなり、この時期は命の危険にさらされることもあります。保冷剤や水入りのペットボトルを冷凍庫に準備しておくと、体を冷やすこともできそうです。飲用水を凍らせれば、溶ければ飲むこともできますのでおすすめです。北陸地方への影響の見極めは難しくなっています。長丁場ではありますが、常に最新の台風情報や、天気予報を確認しながら万全な対策をお願いします。