沖縄県糸満市は6月、市職員962人を対象に初めて実施したハラスメントのアンケート結果をホームページで公表した。ハラスメントを「受けたことがある」とする回答は65件で、回答数538件(複数回答)の12・1%だった。上司からが91件(回答数182件の50%)で最も多く、同僚が40件、市長や副市長、教育長などの特別職が16件、市議が14件で続いた。回答者の8割超が市の相談窓口を知らないなど周知不足の課題も浮かび上がった。(南部報道部・国吉聡志)
アンケートは昨年12月から今年1月にかけて実施。517人が回答し、回答率は53・74%。
市はアンケート実施後、中立かつ公平な助言や分析が必要だとして、2月13日付で市長決裁による第三者委員会設置要領を作り、沖縄弁護士会の中村政也弁護士を委員長とする計4人の委員会を設置した。
結果を受け、第三者委員会は「庁内掲示板やメールを活用した防止規程や相談窓口の周知に取り組む必要がある」と指摘。2019年以降、職員研修も実施されていないとして「年1回以上の研修が必要だ」と実施を求めた。
アンケートでは、ハラスメントについて「見聞きしたことがある」とした回答が78件、「相談を受けたことがある」が26件あった。
被害の訴えは「部下への長時間の叱責(しっせき)」「職員の前で怒鳴る」「業務の押しつけ」「短時間で多くの資料の要求」「休日の呼び出し」「(議会で)執拗(しつよう)に問い詰める」などがあった。
市がハラスメント防止規程に基づいて設置している苦情相談窓口について、「プライバシーが守られるか(心配)」との回答が235件、「問題解決にならないのでは」が164件、「相談したら異動するなど不利益な事態にならないか」が145件あった。
市のハラスメント相談窓口について「知らない」とする回答は411件で、回答数496件の82・9%を占め、相談窓口の周知不足も明らかになった。
當銘真栄市長は「役職に関係なく、互いの気持ちを思いやり、不愉快にならないような職場環境をつくりたい」とコメント。自身もハラスメント防止研修を受ける必要があると語った。怒鳴る・業務の押しつけ・休日の呼び出し…市職員「ハラスメント…の画像はこちら >>