その名もハリケーン! このバイクを作ったメーカーは?


こちらのクラシカルなバイクは「ハリケーン」といいます。作ったのは日本の企業なのですが、スズキ、ヤマハ発動機、カワサキ、ホンダの4大メーカーではなく、かなり意外なあの会社です。群馬県在住の皆さんには、ぜひ正解してほしいところです!

ヒント:今は別の乗り物を作っている会社です

日本のバイクメーカーは今でこそ上記4社にしぼられていますが、昔はいろんな企業がバイクやスクーターを作っていたんですね……。

――正解は次のページで!


○問題をおさらい!

正解はこちら!
○【答え】富士重工業(現・スバル)

正解はスバルの前身である富士重工業でした!

ハリケーンは富士重工業が1953年に生産を始めたオートバイです。エンジンは2ストロークの125cc、4ストロークの250cc、350ccのバリエーションを持ち、当時としては先進的なオーバーヘッドカムシャフト(OHC)を装備したモデルもありました。

「ラビット」の成功によって有名なスクーターメーカーとなっていた富士重工業にとって、ハリケーンはバイク業界でのさらなる飛躍に向けた意欲作でしたが、残念ながらラビットほどの成功は収められず、1959年には生産中止となりました。

その原因は、同じスクーターのシェアを争う三菱「シルバーピジョン」との競争が激しかったからとも、1958年に発売した「(スバル)360」の大ヒットもあり、急速な普及が予想される自家用自動車の開発に注力するためだったとも言われています。

現在は4社に集約された日本のオートバイメーカーですが、戦後の最盛期には100社以上が存在していました。ホンダやヤマハ、スズキなどは、生き残りをかけて国内外のレース活動に注力するようになっていきます。ラビットで成功したとはいえ、潤沢な資金力があるわけでもない富士重工業にとっては、そんな激戦区で戦っていくのは難しかったようです。スクーター、オートバイ、クルマの三足の草鞋を履いた状態で、簡単に勝てる相手ではないという経営判断が下されたのかもしれません。

ハリケーンは性能と品質の高さで高評価を得ていたものの、極限性能を競うレースでライバルと戦うことはできませんでした。しかし、自動車メーカーとなった富士重工業(スバル)はWRC(世界ラリー選手権)で何度もタイトルを獲得し、自社の高い技術力を証明しています。

それでは、次回をお楽しみに!

津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら

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