文部科学省はこのほど、2023年度「英語教育実施状況調査」を発表した。調査は2023年12月1日、各都道府県・市区町村教育委員会および全ての公立中学校9,165校を対象に、インターネットにて行われたもの。その中から今回は中学生の英語力について抜粋した。
言語能力を測定し比較するための国際的な基準を表す「CEFR」にて、英検3級レベルの「CEFR A1レベル」相当以上の英語力を取得、または有すると思われる中学生の割合を調査。2011年は32.2%だったが、2023年には50.0%と、中学生の英語力が向上しており、当初の30%台から2%前後で推移していることがわかった。
調査によると、全体的に中学生の英語力は向上しているものの、未だ自治体間の差があるという。「さいたま市」(88.4%)や「福井県」(83.8%)では、生徒の約8割が「CEFR A1レベル」相当以上の英語力を取得している一方、その他の中学校では、同省が目標値とする60%に到達していないことが明らかになった。
次に、授業の半分以上の時間、英語による言語活動を行っている中学校の割合は約8割(75.1%)だった。
言語活動の状況(授業における生徒の英語による言語活動が、授業の半分以上と回答した学校の割合)においても自治体間の差は大きく、上位の「さいたま市」「山口県」「岐阜県」(いずれも100%)と、下位の「島根県」(49.4%)や「奈良県」(49.5%)とを比較すると、約50%の差があった。
続いて、言語活動全体にかける時間を10としたとき、「聞く」「読む」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」にかけた時間の割合を調査。中学校では「話すこと」の割合の平均は3.64との結果に。また、内訳をみると英語でのやりとりが2.20、英語での発表が1.43だった。