北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの父滋さんが亡くなって6月5日で4年です。会見を開いた早紀江さんは拉致問題解決に向けた具体的な動きを見せない政府に「何でこんなにのんきなんだろう」と苛立ちを露わにしました。
【横田早紀江さん】
「『なんでこんなに大事なことなのに解決に向かわないんだろうね』ってちっとも進展していかないことが不思議でね。もうため息つきながら話しかけている」
拉致被害者・横田めぐみさんの母・早紀江さんが話しかける相手は娘との再会を願い続けながら亡くなった夫・滋さんです。
6月5日で滋さんの死去から4年。
【横田早紀江さん】
「なんでこんなに同じことを何年も何年もやっているのかなというむなしい思いと、お父さんももう二度と帰ってこないという思いが交錯して寂寥感みたいなものが強くなって寂しい思いをするようになっている」
拉致問題解決への進展がみられない中、むなしさ・寂しさが募る日々だと言います。
そして孫のキム・ウンギョンさんとの面会や北朝鮮が拉致問題の再調査を約束したストックホルム合意からは今年で10年の歳月が流れました。
【横田早紀江さん】
「一つ一つのときに希望を持って今度はこうなのかもとそちらのほうに懸けてその繰り返しですよね、ずっとそう。でも結局何もないという」
その苛立ちは、裏金問題などの対応に追われ最重要課題に掲げながらも拉致問題を脇に置いているように見える政府に向けられています。
【横田早紀江さん】
「大変なことが日本の中で行われていたのに、なんでこんなにのんきなんだろうというその思いが一番大きい時間がたつごとに」
去年は死を意識するほど体調が悪化。88歳となり残された時間も少なくなる中願うのただ1つ拉致被害者の帰国だけです。
【横田早紀江さん】
「あとのことはもう我慢できますから。元気でいるんですから。祈っています、いつも。北朝鮮で苦労して待っている人たちを救い出すことが日本の大きな仕事じゃないのかなと思っています」