沖展入選入賞写真展(名護市文化協会写真部会主催)が21日まで、沖縄県名護市の名護博物館で開かれている。並ぶのは県内各地の行事や風景、建物の写真など。30年ほど前の在りし日の親類の姿を見つけ「懐かしい」と声を上げる来場者もいた。入場無料。(玉城学通信員)
金武町の綱引き行事で行われる「テービーガーエー」や、北谷町美浜にあった観覧車解体の様子を捉えた写真。多重露光技術を駆使し、沖展賞を受けた知念和範さん(71)の「未知の世界へ」、奨励賞だった屋嘉部景文さん(70)の4枚組み「過疎の島」なども展示されている。
来場した一人、大城民子さん(77)は全ての写真に見入った後、「この人は私の叔母だよ。懐かしい」と携帯電話で写真に収めた。
「叔母は山川シゲさんといって伊是名村伊是名でマチヤグヮー(商店)をしていた。私はウフッカー(大きいお母さん)と呼んでいました」と感激。「写真は70代のシゲウフッカー。トーカチ(数え88歳)のお祝いをして90歳で他界しました。それにしても懐かしい。親戚に電話してみよう」と目頭を熱くした。
作品の下に添えられていたのは「屋嘉部景文」の撮影者名。大城さんが「屋嘉部さんはどなたですか」と尋ねると、ちょうど受付係だった屋嘉部さんが名乗り出てさらにびっくり。
屋嘉部さんは「30年前に伊是名のマチヤグヮーを撮った」と説明すると、大城さんは「島も人が少なくなった。叔母を撮ってくれてありがとうございました」と笑顔を見せた。「私の叔母だよ。懐かしい」感激で目頭熱く 30年前の在りし日…の画像はこちら >>