パリッコのおつまみ革命 第42回 刺し盛りパックが“ぜいたくな逸品料理”に進化する「大人ののりまき」、ポイントは薄焼玉子!

我が家ではたまに、家族で手巻き寿司パーティーをします。

たいていは、手頃なお刺身盛り合わせを買ってきて、まだ保育園児の娘は生魚を食べないので、焼き鮭、豚の薄切り肉の醤油味炒めなどの具材と、必ず「玉子焼き」を用意します。

で、僕はというと、そんなごちそうの日は当然晩酌をしたい。そこで、海苔に刺身や薬味をのせて巻き、醤油につけて、「米抜き手巻き寿司」として食べることが多いんですが、これがものすごく美味しいんですよね。特に、玉子焼きも合わせて巻くと、ふわっと食感と満足感が増していい。

先日も食べていて思ったんです。これ、もはや、米抜き手巻き寿司じゃなくて、上等な一品おつまみだよな、と。そこでこの料理を「大人ののりまき」と名づけ、あらためてきちんと作ってみましょう。
○基本は巻くだけ

というわけで、スーパーでお刺身の盛り合わせを買ってきました。

決まった具材というのはないので、その日に心惹かれたものでいいでしょう。ただ、最低でも2種類以上の魚を使うと、味に広がりが出ていい感じだと思います。

で、先ほど玉子を一緒に巻くと美味しいと言いましたよね。そこで、まずは薄焼き玉子を作りましょう。

焼けたらしばし放置して粗熱をとり、その間、刺身の下ごしらえをしておきましょう。

そうしたら全形の海苔を1枚用意し、その上に薄焼き玉子をのせます。

あとはお察しのとおり、具材をのせて巻くだけ。僕は大葉が大好きなので多めに加えますが、そのへんもお好みで。

このとき、家に「巻きす」があればそれでくるんでしっかりと。なければ、とりあえず手でなるべく一生懸命、ぎゅぎゅっと巻きましょう。

あとはこれをお好みの幅にカットすれば……。

手巻きなので隙間が多く、ふわっと食感ではありますが、それもまた味。わさび醤油で食べれば、いろんな魚、海苔、大葉、玉子焼きの渾然一体となったハーモニーが、も~たまりません!

お刺身をひと切れひと切れ食べるのももちろん好きなんだけど、こうしてちょっとひと手間をかけるだけで、あきらかにワンランクアップ、いや、2、3ランクアップしたおつまみになってしまうんですよね~。

というか、今回はちょっと豪華に具材を盛りすぎてしまったかもしれない……。

ご自宅で気軽に作る場合はもっと少ない量の刺身でもじゅうぶんですし、今回の量なら、のりまき3本ぶんくらいに分けるのがちょうどいいかもしれません。

が、具材にも分量にも決まりがないからこそ楽しい、大人ののりまき。納豆やら漬けものなんかを合わせて巻いてみてもいいだろな~。どうぞ自由な発想で作ってみてください!
○【材料】

・刺身:好きなだけ
・海苔:全形1枚
・玉子:1個
・大葉:好きなだけ
・その他の具材:イマジネーションに応じて
○【作りかた】

1.薄焼き玉子を作り、粗熱をとって海苔1枚の上にのせる。
2.細長くカットした刺身や、その他好きな具材をのせる。
3.巻く。

パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。 この著者の記事一覧はこちら

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