2月22日、新潟大学で教授人生最後の講義を終えたのが農学部の箕口秀夫教授です。教え子や職員に囲まれながら最後の講義で伝えたのは夢を抱く大切さでした。
【新潟大学農学部・箕口秀夫教授】
「様々な植物や動物の調査を学生とすることができたのが一番の思い出」
こう新潟大学での27年を振り返ったのは、新潟大学農学部の箕口秀夫教授です。
【新潟大学農学部・箕口秀夫教授(2020年)】
「人に慣れてしまう人間生活に慣れてしまうといったいわゆる新世代グマに変化してきている」
箕口教授は中山間地に定点カメラを設置するなどしてクマの生態を観察。
【新潟大学農学部・箕口秀夫教授(去年)】
「クマのエサ条件は非常に劣悪」
専門家の立場で県などに助言を行い、クマの出没の増加が懸念される際には県民への注意喚起を行ってきました。
そんな箕口教授も今年度で定年。22日の最終講義には多くの教え子が集まっていました。
【教え子】
「ユーモラスでいつも冗談じみたことを言ってくれる楽しい先生」
【教え子】
「同じことを知るにしても、こっちがワクワクするような講義だったなって」
その言葉通り…箕口教授の最終講義はユーモアに溢れたものになりました。
【新潟大学農学部・箕口秀夫教授】
「同一個体の夏と秋の体格なんですけど、冬ごもりするためにたくさんの餌が必要。脂肪を蓄えるということで、私だけなんですけど「逆ライザップ現象」と呼んでいる結果にコミットしているんですねちゃんと」
講義の中で箕口教授が指摘したのは人間の生活圏に近い里山で生まれ。里山で一生を過ごす新世代グマ・アーバンベアと呼ばれるクマの増加です。
クマを集落に寄せ付けないよう緩衝地帯の設置などによるゾーニング、そして集落での対策が重要だと訴えました。
【新潟大学農学部・箕口秀夫教授】
「リピートアフターミー柿厳禁ということを合言葉にクマの対策をしていかなければいけない」
そして講義の最後に語ったのは幼いころの自身の夢…。
【新潟大学農学部・箕口秀夫教授】
「ガラパゴス諸島や世界のジャングル、大森林、草原などで生物の研究をしたいと小学生のときに夢を抱いた。小学校の頃の夢を叶えることができました。夢を叶えることができた…」
それは箕口教授が長年の努力の末につかんだ実感です。だからこそ、夢を抱く若者への期待も膨らみます。
【新潟大学農学部・箕口秀夫教授】
「不思議をどんどん解き明かしてくれることを期待しています。バトンタッチしたいと思います」
今後も研究を続けると話す箕口教授。多くの拍手に包まれてその教授人生に幕をおろしました。