[大弦小弦]1か月限定の取り組み 体育館が沸いたサプライズ発表

服装や髪形は自由。メークも可。身なりに関する校則を、球陽高校が1カ月間限定で緩和することになった。学校側と調整してきた生徒たちがサプライズで発表した時、体育館は沸いた
▼きっかけは探究学習という。今の校則は多様性の時代に合っているか。メークには心を前向きにさせる効果もあるのではないか。そんな問題意識で調査を進めていた二つのグループが、「お試し期間」を持ちかけた
▼守るべきルールはシンプルだ。露出の高い服装は避ける。体育や調理実習では装飾を外す。「あれもダメ、これもダメ」とそぎ落とした地点から、真に必要な校則が見えてくる
▼初日の20日は、制服と私服が半々だった。おしゃれを楽しんでいる生徒もいれば、ジャージーやTシャツなど過ごしやすい格好の生徒も。薄くメークした生徒は「朝から気分がいい」「自信が持てる」とうれしそうだ
▼職員会議で反対の声はなかったらしい。が、内心やっぱり心配なんだとか。「生徒だけでなく、学校にとっての探究でもあるんです」と教員の一人。先回りしたい気持ちを抑え、まずは生徒たちに任せてみようとする姿勢に、強い信頼感がにじむ
▼校則を変えるか、変えないか。さまざまな意見があっていい。大切なのは、生徒自らが考えること。それができた時点で、もう成功は手の中にある。(鈴木実)

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