裁縫などで使い込んだ針に感謝する「針供養」が8日、木更津市富士見の成就寺で行われた。着物姿の女性ら約30人が、折れたり、曲がったりした針を豆腐やこんにゃくに刺して労をねぎらった。
大正時代、寺周辺に呉服店や洋服店が多かったことから針供養が始まったという。「事始め」(2月8日)に開催され、厚手の硬い布を縫ってきた針に、最後は軟らかいものの中で休んでもらい、裁縫の上達を祈る。
針の形をした供養塔の前で木村順誠住職(54)が「針に宿りし魂を成仏ならしめ、能登半島地震の犠牲者を思い1回多く焼香を」と読経する中、集まった人たちが手を合わせた。
市中央公民館のサークル「みずわ和裁」の仲間と一緒に訪れた宇井千代子さん(74)は「和裁をしているので毎年来る。1年間お世話になった針に感謝の気持ちを込めた」と話した。