2月に行われる季節外れの盆踊り大会「すみだ輪おどり」が今年も17日に東京・墨田区で開催されることになった。盆踊りを通した地域振興や冬場での健康維持などを目的に、区後援のもと昨年から屋内開催となり今回で9回目。“日本一早い盆踊り”に、主催者は「トップシーズンに向けての予行練習として気軽に踊りに来て欲しい」とし、愛好家「盆オドラー」らの参加も呼び掛けた。
屋内会場で「盆キョドラーも楽しめる」
墨田区では9月に錦糸町で行われる日本最大規模の盆踊り大会「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」が有名で、2日間で約3万人が参加。8月にも墨田区民納涼民踊大会が行われるなど、都内屈指の盆踊り活況地区になっている。コロナ禍で開催中止が相次いだ際、運動機会の確保と健康維持のため盆踊り愛好者の有志が集まって始めたのが「すみだ輪おどり」で、その後も「踊れない冬場だけでも開催を」との要望を受け、オフシーズンに継続している。
区内の地域限定で踊られてきた「ご当地踊り」の保存継承や、途絶えてしまった踊りの研究と発掘、復元保存なども行っている。限られた地域で脈々愛されてきた「竪菊音頭」「業平音頭」「宮元町会音頭」「本一ニューライフ音頭」「隅田川花火音頭」など珍しい踊りも取り上げ、盆オドラーらにも注目されている。
すみだの「ご当地踊り」は、葛飾北斎をはじめとするすみだの偉人や著名人、地名や隅田川流域の風物詩などが歌詞や踊りに盛り込まれているのが特徴の1つ。「1950年代に墨田区では何かを宣言すると唄と踊りにしていたようで、すみだ郷土資料館には『墨田区宣言音頭集』という本が残っていて、地域だけのオリジナル音頭がたくさんあるんです」と、すみだ輪おどり実行委員の坂井ユカコ区議。
「私もまだまだ踊り始めはキョロキョロ、挙動不審になる“盆キョドラー”ですが、体を動かすことは楽しいですし、盆踊りは季節関係なく健康にもいいですよ」と踊りの魅力と効果をアピールした。
開催場所は錦糸町丸井9階の「すみだ産業会館サンライズホール」で、踊り始めは午後1時から。今年は「ご当地音頭」の新曲として、ソフトバンク・王貞治球団会長の生家があった八広で踊り継がれてきた「八広八八八音頭」を追加。
さらに、地元の地銀・東京東信用金庫のマスコットキャラクター「ひがぴょん」の盆踊りでは、うさぎのゼスチャー入りという可愛くて珍しい踊りも披露される。