【速報・追記あり】千葉大学長選「疑義」で質問状 人文科学教授会「合理的理由を」 投票2位の候補選出

1月25日に行われた千葉大学(千葉市稲毛区)の学長選考を巡り、同大大学院人文科学研究院教授会が、選考に疑義があるとして「学長選考・監察会議」に質問書を送付していたことが1日、同大などへの取材で分かった。教職員による投票で1位に100票近い差をつけられ2位だった横手幸太郎氏=副学長、同大付属病院長=が新学長に選ばれており、同教授会は、投票結果を覆した合理的理由を説明するよう求めている。同大によると、教職員による投票結果で1位になった候補者が学長に選ばれなかった例は初めて。
今回の学長選考は、中山俊憲学長の死去に伴い行われ、横手氏のほか、副学長で人文科学研究院教授の山田賢氏、医学研究院教授の松原久裕氏の3人が立候補。1月19日に行われた教職員の投票では山田氏534票、横手氏446票、松原氏350票だったが、25日の同会議で横手氏が学長に選ばれていた。
規定では、学長選考は教職員による投票結果を参考に、学長選考・監察会議が投票を行い最終決定することになっている。同会議は、学内の教授らによる「学内委員」7人と、他大教授や民間企業取締役などの「学外委員」7人の計14人で構成。同会議は横手氏選出の理由について「『人格が高潔で学識が優れ、教育研究活動を効果的に運営することができる能力を有する』とした学長選考規定を満たす」などとする公示を学内に掲出。同会議の投票結果は明らかにしていない。
25日に横手氏選出を報道発表した際には、教職員の投票結果も公表しなかった。
30日付で同会議長宛に提出された質問書では「1・2倍の得票数を覆すに足るどのような合理的理由があったのか。教職員や学生が、学長に信頼して大学の運営を委ねるために詳細な説明がなされる必要がある」と指摘。選考過程や理由、会議内で投票結果をどのように参考にしたのかなどを今月20日をめどに回答するよう要望した。
同教授会に所属する男性教授は、千葉日報社の取材に「学部同士の候補者の勝ち負けを争っているわけではなく、不透明な方法で意思決定が行われていることが問題。学長は大学の教育研究のあり方に影響を与えるので、教授会として声を上げることが必要と判断した」と質問状提出の理由を説明した。
同大総務課の担当者は「対応をこれから協議していきたい」とコメントしている。
学長には、所属学部や年齢などに限らず推薦があれば誰でも立候補が可能だが、歴代学長15人のうち12人が医学部出身者。医学部以外の3人も工学部、理学部、園芸学部で文系学部出身の学長はいない。
同問題を巡っては、同大の学生や卒業生の有志が適切な説明するよう同会議に求める署名活動もオンライン上で行っている。1月28日に開始し、2月1日午後7時現在で450人以上が署名した。

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