36人が死亡した2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で殺人罪などに問われた無職・青葉真司被告の裁判員裁判による判決公判で、京都地裁(増田啓祐裁判長)は25日、青葉被告に求刑通り、死刑を言い渡した。
約17・8倍の倍率をクリアして傍聴した京都市内の自営業の男性は、午後1時40分ごろに判決が言い渡される前の青葉被告の様子を「自分がしたことを受け止めているように見えた」と感想を述べた。極刑が下されたが「遺族の方々の感情が安らぐのが一番大事。(傍聴席で)涙を流される姿が、こちらに伝わってきた」と胸を痛めた。
「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」「けいおん!」など京アニの作品を学生時代に見ていたファンという京都在住の30代女性は、2回目の傍聴だった。公判で主張していた青葉被告の姿には「突っかかるような発言をしたり、彼の考え方が残念」と振り返り、遺族の涙には「いたたまれない気持ちになりました」と話した。一方、被告側が判決を不服として控訴する可能性には「それは被告の権利ですので…」と話していた。
別の傍聴人の男性で「できれば無期懲役にしてほしかった。死刑にしていいのか!」と、アメリカなどのように仮釈放がない終身刑を望む声もあった。