冠婚葬祭の「冠」は成人式を指す。「成人の日」である本日8日、成人式を迎える読者もいることだろう。
ところで以前X(旧・ツイッター)上では冠婚葬祭の「婚」が指す、結婚式にて起こった「最高のサプライズ」が話題となっていたのだ。
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今回注目したいのは、Xユーザー・畢竟無さんが投稿した1件のポスト。
こちらの投稿には「姉の結婚式来てるんだけど、おれだけメニューがトリコなんだが???」「思わず笑ってしまったwww」と、一読しただけではよく分からない内容が綴られている。…しかし、添えられた写真を見ると即座に納得。
姉の結婚式でメニュー見た男性、隠された秘密に目を疑うも… 「…の画像はこちら >>
そこには、漫画『トリコ』キャラクターのイラストが描かれた「本日のフルコースメニュー」なる、メニュー表が収められていたのだ。
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前出の情報だけでピンと来なかった読者のため、いくつか補足をしたい。
『トリコ』は2008年から16年にかけて『週刊少年ジャンプ』にて連載された作品で、バトル漫画に「食」の要素を組み合わせる斬新な設定が特徴。作中に登場する「美食屋」たちは自分だけの「フルコース」を決めるべく日夜、未開の味や食材を求めて冒険に身を投じていく。
そのため「フルコース」は、同作を象徴する言葉といっても過言ではないのだ。
しかしバトル漫画では、序盤に現れた強敵たちが、主人公らがパワーアップを果たした終盤の価値観で測ると「とんでもないザコ」に映ってしまう現象が多発しており、ネット上では「強さのインフレ」と称されることも。
『トリコ』もこの呪縛から逃れられず、序盤に発表されたキャラのフルコースは、中盤~終盤にかけて「レベルの低いフルコース」として、読者からネタにされる事態が多発したのだ。
コミックス全43巻となる作品だけにその差は凄まじく、「美食四天王」の一角であるココが2巻で明かしたフルコースはその後インフレの波に飲まれ、もはや「ネットのおもちゃ」と呼べる事態に。Googleの検索バーに「ココ」「フルコース」と入力すると「しょぼい」と出てくるのはご愛嬌である。
またフルコース発表の際、ココは主人公・トリコにフルコースの進行度合いを問いかけるのだが、『ジャンプ』本誌掲載時は「お前は トリコ?」と、それまで会話していた相手の名前を確認するかのような表記に。
こちらの台詞は単行本化の際に「お前は? トリコ」と修正されるも、発言時のドヤ顔と併せ、長きに渡ってネタにされている。
そして何を隠そう、今回Xに投稿されたメニュー表に描かれたイラストこそ「レベルの低いフルコースをドヤ顔+誤植のセットで説明する」シーンのココだったのだ。なお「お前は トリコ?」の台詞は「今日は限界に挑戦して食べて飲んでくれ」という、これまたココが「言いそう」な台詞となっている。
投稿主に話を聞いたところ、今回のサプライズには大きな「姉弟愛」があったことが明らかに…。
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姉の結婚式来てるんだけど俺だけメニューがトリコなんだが???思わず笑ってしまったwww pic.twitter.com/x00UFq59ru
畢竟無 (@DT__35) November 23, 2023
メニュー表発見までの経緯について、ポスト投稿主・畢竟無さんは「周りの方々のメニューは表紙に書いてあったのですが、私の席に置いてあった物の表紙には何も書いてなかったため、ページをめくってみると…『トリコ』のフルコース形式の紹介が出てきたので思わず吹き出してしまいました」と、振り返っている。
美大出身の姉はこだわりが強いタイプで、細部までお洒落なデザインにこだわった式だったそう。そんな中、弟のためだけに見せた今回のフルコースは、まさに「変化球」であり「不意打ち」だったのだろう。
それにしても、『トリコ』の伝説のシーンをここまでクオリティの高いネタに昇華させるセンスには脱帽である。
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こちらのフルコースはXユーザーにもバカ受けしており、件のポストは投稿からわずか数日で3万件近くものリポストを叩き出す事態に。
Xユーザーからは「こんなの笑うだろ」「お姉さんのセンスが素晴らしすぎる」「デザートの捕獲レベルが最高」「お前はトリコ?」など、称賛の声が多数寄せられていたのだった。
『トリコ』は様々な兄弟たちの「絆」を感じさせる作品だが、畢竟無さん姉弟も、作中に登場する兄弟たちに負けない強い絆で結ばれていることだろう。
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秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。