結局“10年に一度の大雪”って何? 気象予報士がかみ砕くと…「その時期・地域としては」という意味

(桜沢信司 気象予報士)ニュースで「10年に一度の寒波」という情報を何度も目にした方が多いかと思います。
12月14日の発表で、東北から沖縄にかけての広い範囲で「10年に一度の低温」、東北から山陰にかけての日本海側で「10年に一度の大雪」という情報が発表され、各報道機関が一斉に取り上げました。
実際に、その寒波が21日(木)現在、日本列島に襲来し、大雪や吹雪など影響が出始めています。
結局“10年に一度の大雪”って何? 気象予報士がかみ砕くと……の画像はこちら >>
CBC
CBC
この寒気は、23日(土)ごろまで広い範囲にかかって、大雪や吹雪などに警戒が必要です。
【画像を見る】22日(金)の雪と雨の予想
〈24時間予想降雪量(多い所)〉■23日午後6時まで北陸 80センチ東海 60センチ北海道・近畿・中国 50センチ東北 40センチ九州北部 30センチ
■24日午後6時まで北陸 40~60センチ北海道・東海・近畿 30~50センチ中国 20~40センチ
【画像を見る】23日(土)~24日(日)朝までの雪と雨の予想
積雪や路面の凍結による交通障害に警戒し、時間に余裕をもった行動をお願いします。また、電線や樹木に着雪し、雪の重みで停電が発生するおそれもあります。懐中電灯だけでなく、エアコンがつかなくなっても暖が取れるように灯油やカイロなども確認するようにしてください。
では、その「10年に一度」とは、いったいどんな情報なのでしょうか?今回報道で言われているのは、気象庁が発表する「早期天候情報」が元になっています。
この「早期天候情報」は、“その地域・時期としては”10年に一度程度しか起きないような著しい「高温」や「低温」「降雪量」の可能性が高まっている時に、6日前までに発表される情報です。
平年と比べて、5日間平均気温が「かなり高い/低い」となる確率が30%以上、または5日間平均降雪量が「かなり多い」確率が30%以上と見込まれる場合に発表されます。
ポイントは「その時期・地域としては」という言葉。
つまり、真冬ならしばしば降るような大雪が、真冬ではない「その時期・地域としては10年に一度のレベルの大雪になる可能性が高い」というのが正確な表現と言えるのです。
というわけで、この発表があった場合には、実際に今回のような強烈な寒気が入り、大雪や吹雪など、大きく影響が出ることに間違いありません。この早期天候情報は、6日前までに発表される情報なので、この情報を正確に読み取ったうえで、農作物の管理や車の冬用タイヤの準備など、早めに対処をして頂ければと思います。
ちなみに、21日(木)には、再び気象庁から「早期天候情報」が発表されました。今回は「高温」です。
CBC
年末の28日ごろからの5日間は、平年よりもかなり気温が高くなる見込みです。
■5日平均気温平年差(28日ごろから)北海道・北陸・九州北部 +2.3℃以上東北 +1.9℃以上関東・甲信 +1.8℃以上東海 +2.0℃以上近畿・中国 +2.1℃以上四国 +2.2℃以上九州南部 +2.5℃以上
低温から高温と極端な天候になりますが、体調や農作物の管理などにお気を付けください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする