結婚の自由を全ての人に認めるよう国を訴えた、いわゆる「同性婚裁判」。あす、名古屋高等裁判所で判決が出ます。当事者の思いを取材しました。
同性婚を認めないのは憲法違反だと国を訴えた裁判 あす名古屋高…の画像はこちら >>
先月4日、婚姻届を書いていた1組のカップル。愛知県小牧市に住む原岡貴毅さんと、えみりさん。実は2人が婚姻届を作るのは、これが2回目。2022年に名古屋市内の区役所に提出しましたが…。(原岡貴毅さん)「最終確認の性別のところで引っかかって受理されないという…」貴毅さんは体は女性でも心は男性という、いわゆるトランスジェンダー。戸籍上は女性同士の結婚となるため、前は認められませんでした。
CBC
しかし今回は…。(原岡貴毅さん)「戸籍を男性に変更した」これまでは性別適合手術などで卵巣や精巣を取り除くことが性別変更の条件でしたが、おととし最高裁判決で憲法違反だという判決が確定。貴毅さんは家庭裁判所に申し立て、去年7月に戸籍を男性に変更しました。
CBC
同性婚が法律上認められていない日本。夫婦として一緒に暮らしても、配偶者控除や相続などの法的な権利はありません。(原岡貴毅さん)「結婚をするかしないか、する権利をくださいではなくて、(結婚を)するかしないかの権利を誰しもが持つのは、本当に最低限必要な制度だと思っている」
CBC
そんな中、同性婚を認めないのは憲法違反だと国を訴えた、いわゆる「同性婚訴訟」が続いています。全国6つの裁判が続いていて、一審では愛知を含む5つで「違憲」もしくは「違憲状態」の判断が示され、続く控訴審でも札幌、東京、福岡で全て違憲判断に。そして、あすは名古屋高裁での判決を迎えます。
CBC
小牧市の貴毅さんと、えみりさん。2回目の婚姻届は、市役所に無事提出できました。戸籍上の性別を変えることで、ようやく結婚できた2人。しかしホルモン治療や精神障害である診断を受けるなど、大きな負担がありました。そんな必要のない社会を望んでいます。
CBC
(原岡貴毅さん)「すべての人が婚姻を自由に選択できる世の中になれば『こんなに大変なことは起きないのにな』というのは、すごく感じた」(えみりさん)「今回、いい判決が出ることを望んでいますし、判決だけじゃなくて国として法律を変えてもらいたいというのが望み」全国的にも注目が集まる「同性婚訴訟」、名古屋高裁の判決はあすです。