養殖ガキの産地で知られる三重県鳥羽市。養殖業者直営のこの店では、焼きガキの食べ放題や生ガキが手軽に楽しめるとあって平日も多くの観光客で賑わいます。しかし、おいしさの一方で心配なのが「食中毒」です。特に今の時期はノロウイルスによるカキの食中毒が増えます。(浦村SeaFarm 浅尾大輔取締役)「(カキは)生活用水や海の汚れを含んで水揚げされる。そのまま食べてしまうとあたってしまう」
全国で相次ぐ“ノロウイルス” カキの食中毒防ぐため… 紫外線…の画像はこちら >>
養殖ガキの旬は11月から5月頃。ノロウイルスの食中毒が多い時期とちょうど重なります。それでも養殖業者が自信をもって消費者に提供できるのには理由があります。
(浦村SeaFarm 浅尾大輔取締役)「“無菌の水”がここから流れてきます。その中に表面をきれいにしたカキを漬け込む」
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水揚げされたカキは必ずこのプールへ。紫外線で殺菌した海水に18時間以上漬けておくと体内の菌や不純物が排出されるのです。これが新鮮で安全な「浦村かき」の秘密。さらに直営のカキ小屋でも。「生ガキを食べられるにあたって、体調は大丈夫ですか?」
生ガキを注文した人への体調確認や、手袋やまな板の消毒などの感染対策も徹底しています。
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(客)「安心して食べられていいですよね」「すごく安心。安全においしくいただける」(浦村SeaFarm 浅尾大輔取締役)「生産者としてカキを作るだけではなく、安心安全も日々つくっていきたい。ぜひたくさんの人に食べてもらいたい」
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旬の味を楽しんでもらう裏側にある懸命な食中毒対策。それでもカキによるノロウイルスの食中毒は、ことし相次いでいます。
富山県では2月に開かれた飲食のイベントで、「蒸しガキ」を食べた120人が下痢や嘔吐などの症状を訴えました。県は「蒸しガキ」に含まれたノロウイルスが原因の集団食中毒とみています。「蒸しガキ」を食べて食中毒を発症した20代の女性は。
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「何度も嘔吐を繰り返して、かなり苦しかった。寝室とトイレの往復で、夜も眠れなかった。頭がくらくらして、熱を測ると38.2℃。食欲もわかなかった」と話します。わずかなウイルス量でも感染し、激しい症状を起こすノロウイルス。
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2月、宮城県石巻市の水産加工会社が製造し、全国のコストコで販売された生食用のカキでもノロウイルスの食中毒が発生。下痢や嘔吐、発熱などの症状を訴えたのは少なくとも37人、被害は全国12都道府県に広がっていて、業者は商品の自主回収などを進めています。