「飛び火」とは延焼が予想されないような離れた場所に、新たな火災を発生させるものです。火の粉が最初の現場から気流に乗って舞い上がり、風に流されて離れた場所に落下してそこで燃え上がります。今回の岩手県大船渡市の火事は、焼けた木片などが飛び、被害が広がったのではないかと専門家は指摘します。
飛び火が原因とみられる火事は、山林に限ったことではありません。(カメラマン)「伊勢市の火災現場上空です。建物からは激しく白煙が立ち上っており、ところどころ炎が確認できます」
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2022年10月、三重県伊勢市では住宅8棟が燃える火事が発生。そして、この火事の直後には。(カメラマン)「こちらの建物からも激しく白煙があがっています」
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南東に約100メートル離れた建物でも火災が発生。最初の現場から飛び火したのではないかと考えられています。東京大学先端科学技術研究センターの廣井悠教授は「飛び火の距離は、かなり遠くまで飛ぶことが知られている。過去の文献を見ると500メートルとか600メートルぐらい」と話します。
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小さな火種が、大きな被害に。おととし名古屋市千種区の吹上駅近くの住宅密集地で起きた火災。激しい炎が上がり、看板制作会社の作業所兼倉庫や住宅など、あわせて9棟が焼けました。火元の倉庫では、クラシックカーの整備作業が行われていて、何らかの原因でガソリンに引火したとみられています。
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消防隊員が上空から赤外線カメラで撮影した映像を見ると、火の粉が現場から舞い上がり、風に流されて遠くまで飛んでいく様子が確認できます。
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当時の映像を改めて見て、名古屋市消防局の西尾尚洋さんはこう振り返ります。(名古屋市消防局消防課 西尾尚洋さん)「赤外線カメラでは細かい火の粉まで確認が可能になる。通常の建物火災よりもかなり遠方まで飛散している。乾燥していたことで、この規模の火災に発展した可能性がある」この火事の直前、名古屋市内で観測された最小湿度は24%。空気はカラカラに乾燥していました。
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名古屋市では乾燥注意報が発表されると、「飛び火警戒」のため、消防車を1台増やし、2次被害の防止に努めているといいます。(名古屋市消防局 西尾さん)「付近で火災が発生している場合は、火の粉による着火を防止するためにも、屋外の洗濯物や、燃えやすい物を屋内に入れていただきますようお願いしたい」
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