「劇団うない」20周年、乙姫劇団の古き良き芸能継承 3月2日に浦添市で記念公演

大嶺可代(沖縄県立芸術大学芸術文化研究所共同研究員)
劇団うない20周年記念公演「魂(こころ)ひとつに二十年」が3月2日、国立劇場おきなわ大劇場で開催される。
第1部は前舞踊が3題。「松竹梅鶴亀」は、初代・玉城盛義が乙姫劇団のために振り付けた舞踊である。地方公演では、それぞれの舞の担い手が中心となるグループが順繰りで街頭宣伝を行っていた。

乙姫劇団2代目団長・間好子による振り付け「芭蕉布」は、県外公演で好んで幕開けに踊られ、沖縄系観客らの望郷の念を呼び覚まし、涙を誘ったというエピソードが伝えられている。
そして、間好子と上間初枝のおはこ「イェーク小」が、劇団うないの名コンビ(比嘉いずみ、新垣麻里子)によって踊られる。乙姫劇団が舞台に乗せた数々の創作琉球舞踊は「乙姫舞踊」とも呼ばれ、当時の観客のみならず、現代沖縄琉球舞踊界を支える若き諸先生方も、それぞれの芸に取り入れるなど、一大ブームを巻き起こした。これらの芸が劇団うないにおいてもしっかり継承されていることに、ファンの一人として喜びを感じている。
第2部は時代人情劇「花の代 旧二十日正月ジュリ馬行列の由来」。これぞ花街・辻出身である乙姫の芝居といってよい演目である。花街の歴史を垣間見るだけでなく、身分差による沖縄語の違い(待遇表現)もしっかり組み込まれ、見応えのある仕上がりである。
古き良き伝統に新たなエネルギーを吹き込む努力を惜しまない劇団員たちの熱い舞台に期待を寄せている。
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記念公演は3月2日午後1時、浦添市の国立劇場おきなわで。問い合わせは事務局、電話090(7570)8128。「劇団うない」20周年、乙姫劇団の古き良き芸能継承 3月2日…の画像はこちら >>

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