めっちゃいいっすよ。コレ。
ANA(全日空)が、整備士と技術スタッフに対し、航空業界として初となる「パワーナップ(積極的仮眠)」を導入します。これは航空業界としては初の試みとのこと。この促進のため、羽田・成田のANA格納庫など5か所に、トヨタが開発した仮眠シート「TOTONE」を25台導入します。
えっ…ANAの格納庫に「ナゾの仮眠ブース」があるのですが…?…の画像はこちら >>ANAなどが公開した「TOTONE」(乗りものニュース編集部撮影)。
「TOTONE」とトヨタのシート設計技術、居眠り運転防止技術を応用し開発された仮眠シートで、ヒーリングBGMやシートヒーター、眠りに入るときにリラックスして呼吸をしやすくするため、シート背面が膨らんだり縮んだりする機能などを備えます。仮眠終了時にはBGMが変わり、シートの横が光ったのち、自動で椅子が起き上がるようになっています。
これを利用したANAの整備士は「パワーナップという言葉に馴染みがありませんが、使ってみると、時間になると起こしてくれるなど信頼して寝ることができます。背中が温かくなって眠りに入りやすいのもポイントですね」と話します。
航空機の整備士や技術スタッフの業務は、常に高い集中力を必要とします。ANAでは整備士や技術スタッフが手掛ける航空機の安全、従業員自身の安全に対して、これまでは規程・基準の準備や教育訓練、チェックリストの活用といった業務そのものに着目した取り組みが中心だったといいます。
そこで、人間の生理的側面に組織的にも着目し、パワーナップの導入を決定。短時間の仮眠で脳疲労を回復させることで「航空機の安全のさらなる向上につながるだけではなく、整備士や技術スタッフの働き方を大きく変えるきっかけとなることを期待しています」としています。
また、パワーナップのツールに「TOTONE」を選んだ理由については、使い心地や目覚めの確実さはもちろん、オリジナルデザインへの対応も挙げられるとか。そのため、ANA仕様の「TOTONE」は、ANA機の尾翼マークなどを模した特別デザインです。
ANAの担当者は「ゆくゆくはパワーナップを(ANAの)文化にしたいです」と話すほか、今後は整備の現場だけでなく、他の部署への展開も検討していきたいとのことです。