寒い時期になると、“肌の乾燥”気になりますよね。中でも「かかと」が乾燥するという人も多いのではないでしょうか。ユースキン製薬が運営するスキンケアメディア「肌育研究所」によると、そもそもかかとがガサガサになる原因は、皮脂を分泌する「皮脂腺」がないため、乾燥しても自分で皮脂を分泌してうるおいを保てないからだそう。
そのガサガサの「かかと」 乾燥ではなく“水虫”かも…医師も見…の画像はこちら >>
また、かかとは全体重と靴の摩擦を日常的に受けているうえ、肌の細胞が生まれ変わる周期が長いため、角質が厚くなりやすいとのこと。必要以上に角質がたまると、うるおいが行き渡らず乾燥がさらに加速するといいます。しかし、この硬くなってしまった角質を取り除こうと削り過ぎると、肌のバリア機能が低下→肌を守ろうとさらに角質が厚くなるという悪循環に陥ってしまうといいます。
筆者も去年の秋頃から、かかとがガサガサに。保湿をしてもなかなか治らないため、ネットで原因を調べてみると「それは乾燥ではなく『水虫』かもしれない」との情報が…。かかとに水虫なんてできるのか。
ごとう外科・皮フ科 加藤直美院長
不安と疑問を抱きながら、名古屋市千種区にある「ごとう外科・皮フ科」の加藤直美院長に聞いてみました。
加藤医師によると、そもそも水虫とは「白癬菌(はくせんきん)」という糸状のカビが原因で起こる皮膚の感染症のことだそう。夏に発症しやすいと思われがちですが、年中かかるおそれがあるといいます。水虫の人と同じバスマットを使ったあとに湿った状態が続いていたり、足の傷口から白癬菌が入り込んできたりすると、水虫になってしまうのです。
カビの原因「白癬菌」(提供:ごとう外科・皮フ科)
また、水虫で多いのは足の指の間にできるタイプで、ふやけてジュクジュクになったり、水泡ができるものも。そのほか足の裏や側面、手や爪、頭にもできる可能性もあるといいます。本題に戻りますが…では、ガサガサしたかかとは水虫ではないの?加藤医師に聞いてみると、やはり水虫の可能性はあるとのこと。水虫には、角質を増やすという性質もあるため、水虫を放置していると皮膚がガサガサに分厚くなることがあるそう。
カビの原因「白癬菌」(提供:ごとう外科・皮フ科)
かかと水虫の特徴は、ガサガサ、皮剥け、ひび割れなどの症状ですが、体中が乾燥する「皮脂欠乏症」など別の病気もあるといいます。そのため医師でも見分けるのが難しいそう。加藤医師は、かかとが“乾燥したお餅”のようになった場合は水虫も疑って、病院で診断を受けた方がいいと話します。
そこで筆者も、水虫の検査をしてもらうことに。
CBC
CBC
まず、ガサガサのかかとの角質を採取し、水酸化カリウム溶液に溶かします。そして顕微鏡で確認。そこに先述した「白癬菌」がいれば、水虫という診断になりますが…
幸い水虫ではなく、乾燥と荷重に伴い生じた「過角化」ではないかとの診断結果でした。
CBC
最後に、水虫の予防方法を加藤医師に聞きました。
まずは足が湿った状態を続けないこと。冬場はブーツを履いたり、厚手の靴下を履いたりして意外と蒸れていることが多いため、汗を多くかく人は、靴下を履き替えるのも1つの方法だといいます。そして、同居する家族に水虫の人がいたら、お風呂場のマットやトイレのスリッパなどを共有しないこと。
なかなかガサガサかかとが治らない、かかと以外の場所に水虫があるという人は、他の部位に感染したり、人にうつす2次感染を防ぐという意味でも、自己判断ではなく一度皮膚科で診てもらうのが良さそうです。