【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】ブラックバード、ブラックベリー、私は私。 死にかけて意識する生

主人公エテロは48歳、独身。家族を早くに失い、古い雑貨店を自力で修繕しながら、つつましい暮らしをしていたある日、思わぬ事故で死にかける。
私も日々思う。今、死んだら誰が、いつ、見つけてくれるのだろう。そして、明日死ぬなら何がしたいかと。エテロは、死を身近に感じたその日、男性を求めた。
ジョージアの田舎町で独身のエテロは目立っていた。そこはかと漏れる色気とは対照的な、かたくなな独身生活。
適齢期に結婚し、子育てを終えた同年代の女性たちがエテロに投げかける辛(しん)辣(らつ)な言葉の裏には、軽蔑の他に警戒と憧れが見え隠れする。肉体の衰えとともに弱くなった心に、エテロがちょっとした勇気と元気を与えてくれる。
明日死ぬなら、私はとにかく掃除をしたいなと思いました。
(桜坂劇場・下地久美子)
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