ベルファインが『 トップガン マーヴェリック』 の実験機ダークスター」のプラモデルを公開。担当者より同製品の制作における複雑な経緯などを聞くことができました。
千葉県千葉市の幕張メッセで2025年2月8日に開催された国内最大のフィギュア・ガーレージキットの祭典「ワンダーフェスティバル2025【冬】」の会場で、ベルファインがプラモデル「『トップガン マーヴェリック』 ダークスター 1/72」を公開しました。
『トップガン』人気機体“漆黒の実験機”の超精巧プラモ、実は誕…の画像はこちら >>エアロスペース バリー エアショーで展示された「ダークスター」(画像エアロスペース バリー エアショーの公式Xより)。
このプラモデルで再現された「ダークスター」は、映画『トップガン マーヴェリック』の冒頭で、ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐がテストパイロットを務めた架空の極超音速試験機です。
同メーカーはほかに、1/100スケール「ダークスター」の塗装済み完成品モデルの予約を2024年12月11日に開始していますが、同製品はそれとは別で、購入した本人が組み立て・塗装を行うプラモデルとなっています。最初から完成品とプラモデル、両方を出す予定で動いていたとのことです。
1/72というスケールは戦闘機のスケールとしてはスタンダードな規格のひとつで、同製品の開発担当者は「完成品の方は卓上に置けるように、プラモデルの方の飛行機と並べられるようにこのスケールを選びました」と話します。
今回のプラモデルでは、1/100スケールでは不可能だった、コックピット部分の再現も行われており、もちろんキャノピーを開いた状態で飾ることも可能です。
なお、現在のところ日本で「ダークスター」の製作を発表しているメーカーはベルファインのみですが、担当者は「ダメ元で聞いてみたら『いいですよ』ってなった」と製品化となった経緯を明かしてくれました。
なお、制作にあたり苦労した点を聞くと「このキットは、あくまで映画『トップガン マーヴェリック』に登場する『ダークスター』という扱いで造形がされているので、劇中でのシーンを何度も見返す必要があったことですね」との答えが。
先述のとおり「ダークスター」は架空の機体ですが、作品に使用され保存されているモックアップ(原寸大模型)が存在します。
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エアロスペース バリー エアショーで展示された「ダークスター」(画像エアロスペース バリー エアショーの公式Xより)。
しかしそのモックアップと、劇中で登場する「ダークスター」は、版権的に別物と考えられているそうで、同メーカーはモックアップではなく、劇中に登場する機体の特徴のみを確認して作ったとのことです。なぜそうなったかというと、モックアップを製作した会社に関係があります。
撮影中のモックアップの作成には、世界初の実用ステルス戦闘機F-117「ナイトホーク」や、実用機として世界最速のギネス記録を持つ偵察機SR-71「ブラックバード」を生み出したロッキード・マーチンの開発部門「スカンク・ワークス」が協力しています。
同作に対するスカンク・ワークスの協力はかなり本格的なもので、全体の規模は不明であるものの、同社WEBサイトによればコンセプトデザイナー、整備士、製造監督、実物モデルを作るエンジニアなどが参加。飛行こそできないものの、実機さながらの精巧さを持ったモックアップでした。
そうした経緯から、モックアップの権利に関してはロッキード・マーチンとスカンク・ワークスが持っているそうです。そのため、劇中の「ダークスター」と公開後に保存されているモックアップの「ダークスター」は別ものとなるようです。
もちろん飛行状態の様子は劇中のCGでしか存在していませんが、それ以外のシーンに関してもスカンク・ワークスがアメリカで不定期にイベント公開している「ダークスター」を参考にしてはいけなかったようです。担当者は「製造した企業なども出してはいけなかったので、最初の説明書やボックスアートの説明は(版元の)パラマウントさんに、だいぶ修正を受けましたが、オフィシャルでやる以上、そこは守らないといけないので、修正しました」と、かなり苦労もあったようです。
もちろん、製品の箱に関しても、モックアップの写真を使うのはNGですが、そこに関しては、ファインモールドなどでボックスアートを手掛ける有名イラストレーターが是非やりたいと言ってくれたそうで、問題はなかったそうです。