イグアナ・クジャク・あの「脅威の雑草」も 駆除された外来生物の供養式 沖縄・石垣島で初開催「貴重な命忘れない」

駆除された外来生物の命を悼もうと、沖縄県石垣市八島町の環境省石垣自然保護官事務所は1月31日、外来生物供養式を開いた。外来生物の駆除や防除をする職員や協力する市民の要望を受け、初めて開催した。同事務所によると、外来生物の供養式は県内でも珍しいという。(八重山支局・矢野悠希)
事務所の敷地内で執り行われ、参加者が線香や花を供えた。外来生物の代表例として、オオヒキガエルとシロアゴガエルのアクリル剥製も展示された。
石垣島全域で生息しているオオヒキガエルは、サトウキビ畑の害虫駆除のために持ち込まれたもの。住民参加型のオオヒキガエル捕獲イベントを実施するなどして駆除活動を進めているが、繁殖力が強く、1年間で少なくとも数千匹が捕獲・処分されている。一方で駆除する側から「元の生息地では貴重な命だったはずだ」と残念がる声も出ていた。
供養式であいさつした同事務所の離島希少種保全専門官の山本以智人さんは、外来生物はその地域の生態系や多様性を壊してしまうと指摘。ただ「生物はそれぞれの生命を全うしているだけ。われわれ人間が持ち込んだものであるという反省を忘れることなく、今後も駆除活動を推進していきたい」と話した。
石垣島の外来生物は他にもツルヒヨドリ、ボタンウキクサ、ナガエツルノゲイトウ、インドクジャク、グリーンイグアナなどが問題になっている。石垣に定着した外来生物が竹富町の周辺離島へ拡散されてしまうケースもあり、自治体や同事務所が連携して駆除・防除活動に努めている。

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